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ライバー事務所に所属する価値

どうも、223です。今日は誰かを敵に回しちゃうかもしれないなと思いつつ、業界の発展のためにはもっと適正な市場にならなきゃいけないなと考えた上での番外編を投稿します!

はじめに

個人でライブ配信アプリと契約するのではなく、ライバー事務所やエージェントを通して契約する人達が居ますが、そのメリットとデメリットは何なんでしょうか?

ネットを見てもあまり客観的な内容が見受けられず、どれも自分に有利なように書いているポジショントークが多かった為、一度整理させてもらいたいと思います。

エサのあるところにハイエナが群がる。ビジネスチャンスのあるところに企業が群がる。これは、YouTubeの例を見てもそうですね。人気YouTuberが大きな稼ぎになることが見え始めた時、UUUMなどのマネジメント事務所が多数のトップクリエイターを抱えて利益を出したことで、YouTuber事務所も乱立しました。UUUM等の上場は、その成功を輝かせるのに十分なトレンドだったと思います。

ライバー事務所は、YouTuber事務所の成功を影に追いかけ、ライバーが稼げることが分かった2018年頃から乱立し始めました。中には吉〇興〇や、KPOP事務所のように、ライバーから売上を大きな割合で取っているところもあります。ただ、吉〇興〇やKPOP事務所なら、搾取とまでは言えないかもしれません。

前者であれば劇場を沢山用意し、若手にチャンスを沢山与えていますし、巨額の運営費用を賄っていたり、事務所の力でたくさんの仕事を取ってこれるという意味では、芸人さんの給料は妥当なのかもしれません。

後者であれば、まだデビュー前から様々なレッスンを無料で施し、衣食住の面倒を見る。デビューしても数組しか当たらない事を考えると、タレントの待遇もまた、妥当なのかもしれません。

しかし、ライバー事務所はまだ不透明で未整備な市場です。中には悪徳事務所や悪徳エージェントがわんさかあり、ライバーさんが得られるメリットに見合わない金額を搾取されてしまっている人達が数多くいるのです。このことを避けるため、ライブ配信アプリ側では、ライバーと事務所との収益分配割合をここまでにしてくださいとルール設定しているアプリもあるのですが、守られていないのが実情。

中には芸能事務所や、お水や風〇のスカウトの世界のように、柄の悪い運営もあるとかないとか。まあ、当然といえば当然ですね。一時期、事務所投げが始まって、ギフターの中にもわんさかいましたから。まあ、これは置いておきましょう。

事務所に所属するかどうかを判断する時の物差しとは

とにかく、ライバー事務所に所属した方がいいのかどうか。所属するとしたらどこがいいのかを判断する時に大切なひとつの天秤があります。

「ライバーとして事務所から得られるメリットが、事務所に支払う(事務所に抜かれる)対価と釣り合っているのかどうか。」

まだライブ配信の経験がなかったり、少なかったりするとライブ配信の世界があまり分からないので、安心感と相まって、事務所が伝えてくるメリットを過剰に大きなものに感じてしまうのですが、慣れてくると、こんなものにこんなにお金を払わなきゃ行けないの?と、違和感が出てしまう人が多数。

その証拠に、元ライバーさんが多数、ライバー事務所やエージェントを立ち上げています。こんなものなら自分でも提供出来ると思ったからでしょう。つまり、ライバー事務所がライバーに提供できるメリットとは、ライバーをある程度していれば身につくものであって、いつか不要になるものだということが、そういったライバーさんの行動によって証明されてしまっているのです。

ちなみに、YouTuberのマネジメント会社として有名なUUUMさんは、あれだけのネットワークをもち、企業としてしっかりとした基盤をもって運営してクリエイターをサポートしていますが、最大で20%までしか取りません。それでも、多数のクリエイターがその価値を感じなくなり、自分でやった方がいいと脱退しています。

あなたの気になるライバー事務所がもし、20%ものロイヤリティを永続的に取っているようでしたら、ライバー事務所はライバーさんにUUUMほどのメリットは与えていないでしょうから、そこに所属するのはやめた方がいいと断言出来るでしょう。

ただし!これはあくまで引き算の話。

アプリから支払われる報酬-事務所に支払う対価(事務所から引かれる対価)=個人の収入

なのですが、事務所所属をすることでアプリから支払われる報酬が増えるとしたらどうでしょう?

そのひとつが、アプリとのロイヤリティ契約。ほとんどのアプリは一律ですが、とあるアプリはここがケースによって変動します。個人で契約するよりも高い料率の契約が出来れば、先程の話が変わってきますね。なので、個人で契約するとしたらどのくらいの料率になるのかを知ってから、事務所と条件交渉をすると、そのメリットが測れると思います。

もうひとつが事務所投げ。事務所がギフトを投げてくれる事なのですが、どのぐらい投げてくれるかでアプリからの報酬も変わりますから、ここも足し算に加えていいでしょう。

それらをトータルで見て、事務所に実際に支払う対価はどれぐらいなのかを判断すべきでしょう。

例えば、ロイヤリティが100万円なのに、20万を事務所に持っていかれるとしたら、UUUM並のサポートとメリットを与えろ!といいたくなるところです。

ただ、個人で契約する料率だと同じギフトの量でも90万円のロイヤリティになってしまうのであれば、実質事務所へ払ってる額は10万円ですよね。

また、事務所が毎月10万円分ぐらい(イチナナでいうと100万コインぐらい)投げてくれるのであれば、実質、個人で契約して中抜きされていない状態と一緒なのに、サポートというメリットが得られているということになります。

まあ、ここまで「うまい話」はかなり優遇されているライバーさん、つまり、事務所としては他のライバーさんを集めるための広告塔として使いたいから抜けてもらいたくない人に対して設定する条件なので、そんなにうまい実例はありませんが、考え方としてはこういう事だと認識してもらえばいいかなと思います。

もし、足し算の部分が無いようでしたら引き算の部分だけ、その対価の妥当性を判断しましょう。

事務所が提供してくれるメリットの金銭的価値

では、よくライバー事務所が広告で唄う所属のメリットを、金銭的価値に換算してみましょう。

①配信機材や場所を提供!

機材は2〜3万円で揃います。レンタルしたとしても月に2000円から3000円ぐらいの感覚でしょう。

揃え方は検索で一位を獲得しているこちらの記事をご参照下さい。

https://note.com/223223223/n/n96fd0ca198a7 

​配信場所もカラオケルームと同じように考えれば1時間1000円ぐらい。でも、特別な事情がない人は家で配信しますから、ほとんどの人にとって、これはメリットとして考えなくていいと思います。

②配信サポートやノウハウを得られる

これが曲者。経験のない人に、この価値がいくらか測れと言っても無理なんです。ただ、数々のライバーさんが成長していった姿を見届けた立場から言いますと、個人でやったとしても3ヶ月もあれば、事務所やエージェントから得られるノウハウは自分で体得できます。ただ、それが事務所のサポートによって1ヶ月ぐらいで効率よく体得できるとすると、ノウハウ習得まで2ヶ月間の短縮ができますよね。

一月に40時間ぐらい配信するとすると、2ヶ月分で80時間ぐらいの配信の内容が変わってくるわけです。大きく見積もって、その差に平均して時間あたり5000円ぐらいの価値があるとすると、40万円ぐらいの収入差が生まれます。

しかし、これはあくまで基本的なノウハウを体得するまで。体得した後は個人で工夫できますから、ずっとその価値が続く訳ではありません。配信を一年やろうと決めている人であれば、この40万円を12ヶ月で割って一月あたりの価値は3.33万円ぐらいになるということですね。2年以上やろうと思う人にとっては、月当たりの価値は下がりますのでまた計算してください(これが、長くやる人が事務所を抜ける理由なのですが)。

あとは、運が良くサポートが得意な良心的なリスナーさんがつけば、事務所よりも良いノウハウを無料で教えてもらえます。ただし、新人厨という人たちがいて、自分の思い通りにしようという主観的要素でアドバイスをしてくる人たちがいます。そういう意味でリスナーからのアドバイスや助言は客観的ではないので、間に受けすぎないでください。

③視聴者分析

これはITでマーケもやってる僕からすると、事務所から受け取るレポートや分析は大したことありません。無価値と言えます。事務所から何か言われても、うるせえ!と言っておきましょう。むしろ、下記のようなキャバ嬢の顧客管理を参考にしてください。自分でできます。
https://www.tainew.com/plus/technique/sales-contact/work15/

④ 仲間が増える、担当に相談できる

事務所所属ライバーさんと交流ができたり、担当者に悩みを相談できたり。まあ、ここの価値を計算するのって難しいですよね。気が合う人に出会えるかどうかってわからないですよね。むしろ、配信を始めていくと、ご自身もリスナーとしていろんな枠を見にいくようになりますから、自然と他のライバーさんとの交流は始まって行きます。

そもそも、コミュ障でそんなの無理!って人は、事務所に所属して交流会があったとしても、ライバー友達を作るのは、なかなかしんどいかもしれませんね。

あとは担当者もピンキリ。最初は手厚くしてくれても、鳴かず飛ばずのライバーさんの扱いが悪くなるのは商売の常。うまく行ってたらそこまで相談する必要もないですしね。

ということで、これは金銭的価値を見出すとしたら、月一のパーティー費用と等価ぐらいに考えておけばよくて、月5000円ぐらいの価値ですね。

⑤オフ会などのイベントのヘルプやSNSのDM管理、ファンレターの管理などをしてくれて、プライバシーを確保できる

新型コロナの影響が続くと仮定すると、オフラインのイベントは開きにくいでしょうから、オンラインでやるなら自分でやってもプライバシーは確保できます。また、ファンレターについては、もはやデジタルで十分でしょうし、プレゼントはAmazonの欲しいものリストを使えば受け取れます。DMもお返事できませんときっぱり書いておけばいいですね。というとで、今のご時世だと価値はゼロ。

⑥営業案件が回ってくる

これはですね、ライバー事務所が得意な領域ではなく、インフルエンサーマーケティングの会社や、キャスティング会社、芸能事務所の方が得意なんで、そういう会社と繋がってください。そこがライバー事務所も兼務してるようならそれでいいですけどね。

ライブ配信アプリでライバーを使った商品マーケティングができない現状だと、企業サイドもライバー事務所に案件をなげることはほとんどありません。

僕が案件投げてる側なので。と言うことで価値はほぼゼロ。

①〜⑥の価値のまとめ

ということで、ライバーの方が事務所に所属するメリットを金銭的な評価に落とすと、ライバーを一年やる人で月に4万円ぐらいです。もっと長くやる人だとさらに下がります。

ただし、結構シビアなものの見方ですし、彼らの利益を考えても倍ぐらいの評価をしてあげていいかもしれません。優しすぎかな。。。であったとしても、事務所に一月に支払う金額は8万円以内でないと割りに合わないと言うことになるでしょう。

これは、ライバーとして所得が増えたとしても同じです。反対に、事務所のサポートはライバーとしての価値が上がれが上がるほど、不必要になっていくでしょう。それは、独立したり、事務所を立ち上げてる先輩たちが多い事が証拠となっているというのは最初に書きました。

月8万円。
実情は異なります。

正直、月に50万円以上のロイヤリティのあるライバーさんが事務所所属をしていると、月に10万円以上の費用を事務所に支払っていたり、中抜きされているというケースがほとんどです。酷いケースだと半額取られていることも。これは、価値に見合わないから辞めちゃいますよね。

反対に、月に10万円以下のロイヤリティしか無いライバーさんもいますので、そういったライバーさんが、月に5万円以下で事務所に費用を払っている(中抜きされている)ならば、ライバーさんにとってお得なので問題ありませんが、事務所側としては赤字でしんどいですよね。

なので、本来的に事務所と結ぶべき契約内容は、ロイヤリティの何%なのかというよりも、一年で8×12=96万円を超えないという、キャップ(上限)をつけておく事が大切であり、むしろ、50%とられていたとしても、一年間の月額平均で8万円超えていなければ、そのぐらいの対価は当然と認識しておくべきかもしれません。事務所もボランティアじゃ無いので、人件費も運営費もかかり、相応のサービスを提供してる訳ですからね。

反対に、年間に200万も300万も払っている(中抜きされている)ようであれば、先ほどの事務所投げや契約料率のアップサイドがない限り、搾取されていると判断した方がいいです。それに見合う価値を提供されていませんので。

僕も芸能関係は一年前までは、あまり詳しくなかったのですが、ここ一年で自社のメディア運営や広報マーケティング活動を通して、かなり詳しくなれました。中抜きの構造は皆さんの想像されている以上だとお考えください。

そもそも、大きな流れで言うと、これからは個人の時代。YouTubeやライブ配信がここまで盛り上がるのも、そう言った時代の流れを受けてこそ。あくまでマネジメント会社は利用できる発射台に過ぎず、依存するものではないと考えて、個人の力をつけていくべきです。

最初の一年と決めて、本日お書きしたような搾取されない適切な対価で利用するもよし、個人で直接アプリと契約して認証ライバーをやるもよし。ただし、ちゃんと自分で判断できる物差しをもって契約しないと、後で揉めてしまったり、嫌な気持ちになったりしますから、しっかりと上記の内容を理解して、メリットデメリットの判断、価値の判断をできるようにしておいてくださいね。

それでは、みなさんのライバー活動が素敵なものになりますように✨


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