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たましい、あるいはひとつぶんのベッド

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「君は前提的なものってあると思う?――吹き荒れる嵐のような祖父とその相続を巡り、惨禍を抜けたミチルと、祖父の定めた通りにミチルとの結婚を無垢に求めるノボル、そしてミチルとミチルを…
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2017年1月の記事一覧

たましい、あるいはひとつぶんのベッド 3‐6

*タイトルは哉村哉子さんによる

 本棚の真ん中には雑貨コーナーが作られていて、ほかの収納部より比較的大き目にとられた空間に陶器の人形や砂時計など様々な小物が置かれていた。その中で一際ミチルの目を引いたのは、手のひら大くらいの小さなフォトフレームだった。はめ込まれた写真に写っている人物に、何だかとても見覚えがあったのだ。

 被写体になっているのは10か、11か、ちょうどそれくらいの女の子だ。白い

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たましい、あるいはひとつぶんのベッド 3‐5

*タイトルは哉村哉子さんによる。

「昨今の探偵というのは、謎を解いたら解きっ放しというわけにはいかなくてな。事件後のアフターケアーまで求められているんだ」

 問題解決装置としては、世知辛いもんだね――。名探偵がスマートフォンの向こうでそう言った。それは大変なことで、とミチルは簡単に答える。当てこすりの部分なくはないけれど、八割がたは本当のことだ。数学者がキッシュの作り方を訊ねられても困るように

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