3 ___足りない / wacci
朝起きて目が覚めて隣が冷たいともう一度寝たくなる。こんな天気のいい朝なのに。シーツを撫でて彼がいなくなった冷たさを実感する。白い壁を見ながら、朝のことを思い出す。今日の朝、寝ぼけたまま、キスをした。行かないでと振り向かせてキスをした。そこからは記憶が曖昧で。頭を撫でられて、そのまま寝たかもしれないし、振りほどかれて出ていったのかもしれない。もう覚えていないけど、あのキスは私からした最初のキスだった。きっと。
私たちは高校生の時に出会って、大学生の頃から付き合い始めた。初めはた