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小説『アーモンド』

全く考えたことがなかった気持ちを考えるきっかけを与えてくれる本って好き。

読んだのは、韓国で売れているという小説『アーモンド』。

主人公は、「アレキシサイミア」という気持ちを認知することが難しい症状をもつ少年だ。

読んでる間中、気持ちを感じられないって、どんな気持ちなんだろう?ということが、ずっと頭の片隅にあった気がする。

アレキシサイミアという症状、初めて知ったのだけど、とくに恐怖などの感情が抱けないらしい。

車などが近づいてきても、恐怖を感じられないと、危ないから避ける、という動作につながらないという。

物語の中には、恐怖とかを感じない強い人間になりたいと願う感受性豊かな少年も登場する。

恐怖や悲しみなどは辛いから感じない方がマシなのではないか。でも、何も感じなかったら喜びも感じられないのかもしれない。

とか

遠くの国、紛争のなかで生きる子どもたちを、画面を通してみる一瞬は可愛そうと思うのに、きづけばその子達のことを忘れて生活している自分も、ある意味で気持ちを感じていないのではないか。

とか。

色々考えさせられた一冊だった。


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