「強迫観念」を考える

2020年10月23日 21:49

こんにちは。うつ病休職エンジニアの三十郎です。

毎日の投稿を一時中断しましたが、本件を考えていました。私にとって、毎日投稿することが「強迫観念」になっていないかを検証するためです。結果は。強迫観念にはなっていないでした。

強迫観念とは、理由がはっきりしないが、あることが止められない、止めると不安になる精神状態のことです。心が何かに囚われている状態です。

1．何故「強迫観念」を持つのか？

分かっちゃいるけど止められない、との歌もありましたが、タバコが体に悪いことが分かっていても禁煙できない、とか、ダイエットしたいけれど、ついつい食べてします、負けると分かっていてもパチンコにはまる、程度では、医学的な強迫観念には該当しません。

ダイエットを例に挙げると、太ってもいないのに「私、痩せなきゃ！」と食べるのを拒否し、過剰なダイエットに走るのは、強迫観念です。自分で冷静な思考ができないレベルまで、精神的に追い詰められている状態です。

何故、強迫観念に囚われるのか、理由は、はっきりしません。何気ない相手の一言に囚われ、心を病み、最悪、死に至るケースもあります。その代表的なのが、過剰なダイエットによる摂食障害で、最後は餓死します。食べ物を食べることを体が拒否し、食べても吐いてしまいます。

他の強迫観念でも、死ななくても、普段の生活に支障をきたします。例えば、潔癖症。ドアのノブに直に触れ得ない。何度手を洗っての汚れが取れないと洗い続ける。儀式行為。何事も、自分の決めた手順（ルーティーン）通りじゃないと、気が収まらない。

病的ではないにしても、イチロー選手のバッターボックスでの仕草や、五郎丸選手のゴールキック前のルーティーンは、有名です。また、誰もがなにがしかのげん（数字、お守り、など）を担ぐのも、一種の強迫観念です。失敗のプレッシャーから身を守る術でしょう。

人は何かに頼らず、生きるのは心細いのでしょう。宗教の毎日の祈りも、一種の強迫観念です。やらないと罰が当たると。

県外からの車に向かって石を投げつける、マスクをしていない人を脅す「マスク警察」、これは病的レベルと大差ないのでは無いでしょうか？　とても冷静な思考とは言えないレベルですので、一時的な精神的病です。

ホリエモンの「マスク警察」撃退に関する、飲食店への嫌がらかせは、自分が正義だの自己顕示欲：強迫観念の一種でしょう。まあ、彼の場合は、ネットでバズるのがマネタイズの最終目的なので、それと上手く付き合っているのでしょう。

トランプ大統領の「コロナなんて恐くない」は、彼自身の強迫観念では無く彼を支持する人への強迫観念に同調する態度でしょう。

こうやって探すと、冷静な思考ができないレベルまで、精神的に追い詰められている状態は、危機下で顕著になるものです。

話が大きくなりますが、我々は「お金が無ければ、まともな生活すらできない」強迫観念に支配されています。

人を支配するには、恐怖を用いるのが手っ取り早いのですが、それを露骨に使うと反感を買い、支配する側が危うくなるので、同調圧力やら強迫観念に置き換えて、ソフトな恐怖で支配しようとしています。

この世の中で完全な自由を手できるのは、十分な経済力を持つ人達か、野人のようなサバイバル能力を持つ人達ぐらいでしょう。

その他大勢は、見えない誰かの奴隷として、働かされているのでしょう。相手が見えにくいので、反乱の手を上げることすらできないのです。

我々は誰かに植え付けられた強迫観念の元で生活しているのです。物質的には豊かになっても、精神的には、強迫観念そのもの以外にも、それによって生じた社会的ストレス、制度的歪みの犠牲になったりで、貧しくなっているのかも知れません。

ヒトは社会的生き物です。一人では自然界の中で生き抜くことはできません。なので、先天的に孤独を恐れます。群れようとします。

しかし、ただ群れるだけでは満足できず、群れの中で如何に有利なポジションを取るかも、強迫観念なのでしょう。自分の子孫を残す本能です。

しかし、群れの中で不利なものを満足させねば、有利なものも安心して眠れません。そのため、更に下の立場のものを作ることで、欲求不満のはけぐちとし、解消させる戦略をとるのでしょう。

歴史をたどれば、「士農工商」の下にえたひにんを置いたり、白人は、「アパルトヘイト」や「白豪主義」と言った有色人種差別を行ったり、など、虐げられた民は様々です。

「サンクション：集団制裁」という行動生物学用語があります。群れを作る動物に備わった本能で、集団制裁により弱者を用意しておくことで、群れが捕食者に襲われた場合の生け贄とし、群れ全体を守るのです。

残念ながら、人間にも、この本能が残っており、子供のいじめ、大人のいじめ、人種差別、宗教差別、等の根源にあると言われています。

強迫観念は、このような本能で、個人の孤立を避ける機能の残渣なのかも知れません。

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