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採用広報に覚悟はあるか

前職で1000名の増員が叶ったのは、所謂「採用広報」の成果に依るものが大きかったと思います。

社外の方と初めましての挨拶を交わすたびに、話題に上るのは自社の広報戦略。どこにその勝因があったのかと、誰もが特効薬を引き出そうとされますが、そんなものはないです。

強いて言えば、泥臭いことを徹底してやる覚悟と、そこにキャッシュを投下する覚悟があった、という事でしょうか。

前者については、わたしが前職を離れたこのタイミングでnoteを始めたことにも、地味に繋がってきます。

常々、採用担当として思うところをアウトプットしたい、他社の方と交流したいという思いは持っていたのですが、企業人事である以上は会社の顔です。そのつもりが無くとも、個人では無く会社の発言として世に広がることになります。

今一度立ち返っていただきたいのですが、採用広報とはブランディングです。たったひとつ踏み誤れば、瞬時に崩れ去るのがブランドです。

そもそも訴求していきたいブランドイメージに齟齬がないか。ターゲットは妥当なのか。使うメディアは信頼できるものか。曖昧な情報や誤解を招く表現はないか。

ひとつひとつのリスクを丁寧に潰した上で、やっと効果を上げるための議論に入っていける。そういう世界です。

キャッシュの無い企業こそ、そこらへんの地盤固めをスキップして、安い・早い・うまいに走りがちな気がします。

場合によっては人事担当者がインフルエンサーになること、或いはインフルエンサーに広報の協力を仰ぐことも有効かとは思いますが、負うことになるリスクを想定できている方がどの位いらっしゃるでしょうか。。     

実はこれ、個人としても体験してるからこそ、余計に強く感じる部分でもあります。実際に話を聞いてみようかな、と思った企業をサーチした時に、人事の方のSNSがヒットしたんです。熱心に投稿されてましたが、その中で軽率に感じられるものもあり、かえって気持ちが冷えてしまいました。

SNSに限らず、あらゆる機会が良くも悪くも広報になります。せっかく認知が上がって母集団を増やせたとしても、面接で不信感を抱かせる対応があれば、あっという間にその情報が広がって「最近よく見るあの会社だけどさ…」と広報は逆効果です。

泥臭くやり切る体力やキャッシュに余裕の無い企業は、採用広報というキーワードに踊らされることなく、今やるべきことが何かを見つめ直すことをお勧めします。

読む方によっては今更感の強い記事だったかもしれませんが、どなたかの気づきに繋がれば幸いです。

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