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四行小説

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だいたい四行の小説。起承転結で四行だが、大幅に前後するから掌編小説ともいう。 季節についての覚え書きと日記もどきみたいなもの。
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2022年10月の記事一覧

窓の金木犀 // 221008四行小説

 金木犀のマスキングテープを買った。秋になり、その匂いが恋しいものの、この地域の木はまだ花を付けていない。北の方ではもう咲いていると聞くから、殊更恋しくなってしまった。だから目についたこのテープを買ってしまったのだった。
 世の中は季節を少し先取りするから、実は一ヶ月前に雑貨屋で金木犀のヘアオイルを買っていた。世に金木犀の香りのものはあれどどこか本物とは違って買い控えていたのに、そのオイルは記憶の

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クジラの骨 //221006 四行小説

「クジラの骨が浮いている」
 隣の君が指さした先には、夕暮れの光を受けた雲が暮れつつある空に浮いていた。赤みがかったオレンジと白が斑になった筋雲は確かにクジラの骨のようで、右から左へと空を大きく占めている。
 骨の後ろには淡く光る円があり、何の光かと目を凝らせば雲の裏でしめやかに輝く月らしい。
「なら、あれは?」
 聞けば、そんなことも分からないのか? とでも言うように目を開き、呆れたように笑いな

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