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松本山雅FC🆚ガイナーレ鳥取 マッチプレビュー(ざっくり)

まずは宣伝から。これを見れば、J3の掴みの部分はわかると思うので飛ばし飛ばしぜひ。https://note.com/210j1/n/nd93b19b3fbe1

現在勝ち点8で首位に立つものの、1位から10位までの勝ち点差はわずか1で、首位というのは嘘のようなもの。リーグ中盤戦に自力のあるチームとの対戦が多い中、この序盤戦で勝ち点を積み上げる作業はもちろん、内容の部分も求め、ディテールを詰めていくことも必要になってくる。今節は、勝ち点1差の鳥取戦。リーグ屈指の攻撃力を誇る超攻撃的なチームだ。なかなかの難敵になることは間違いない。しかし、ホームアドバンテージがある。宮崎戦とは違い、天候も問題なさそうで、入場者数も増えてくるだろう。ホームでサポーターを魅了し、勝ち点3を獲得して、開幕5戦合計勝ち点11としたい。


予想スタメン



超攻撃型の鳥取


鳥取は、今シーズンの山雅と似ているところがある。前線から全員でプレス。奪われたら即時奪回。自分たちでボールを持って主導権を握る。昨シーズンのホーム戦なんかも、山雅は鳥取のこのスタイルに苦しめられ、勝利したものの、ヒヤッとする場面も多かった記憶がある。前線のタレントは顔ぶれが入れ替わるも、脅威なのは変わりない。

鳥取の最大の特徴は、前線4枚の『ネガティブトランジション』(訳してネガトラ)。奪われたときのトランジションですぐにボールを奪い返しに行く。とにかく、このネガトラが速くて強度が高い。特に、相手が背中を向けたときはガツンと激しく奪いに行く。基本的には、スタートは東條、牛之濵、重松、大久保で、途中から田村、小澤、澤上、遊馬が入ってきて4枚すべて入れ替えとなる。どちらの4人組も強烈なプレスとクオリティーの高い攻撃を展開できるのは強みだ。スタート組の強度が落ちてくると、控えから出せばいいので、90分通して割と強度は保てる。プレッシングは全員でどんどん押し寄せるようにくる。コースを切るというよりも、刈りに来るというぐらいのイメージを持っておくべきだ。

鳥取は、ボール保持率がリーグ3位。ペナルティーエリアと30mライン侵入回数がリーグトップ。その他、攻撃関係のスタッツもほとんどが上位に入っている。自陣では、GKを交えてのビルドアップ。CBが幅を取って、右SBは比較的高い位置。普光院がサポートに入りながらリズムを刻み、レーンを使い分けてピッチを広く使いながら、クロスの形に持っていく。鳥取は、サイドを起点に攻撃を行い、クロス数もかなり多くなっている。回避は、CBやSBがCFの大久保に向かってのロングボール。フィジカルが強く、収める力があり、こぼれたとしても全然に人数をかけているため、セカンド回収からの2次攻撃は迫力かある。ここで、ビルドアップの例を2つ挙げてみる。



これは、GK交えて後ろ3枚。サイドバックは右の⑧田中がやや高位置。⑭普光院が間に顔を出したり、左SBの⑥文も関わってくる。なかなか前進しないときは、普光院がディフェンスラインまで落ちてくることもある。右サイドは田中がやや高い位置を取り、大外からオーバーラップしてくるため、⑰東條はハーフレーンに立つ。例えば、⑲重松が右に流れて裏に走りポケットを取って、⑧田中が外で受ける。その間に⑰東條はボックス内に。このようにかなり流動的に人数をかけてくる。


続いて、左SBの⑥文が吸収されて、右肩上がりになるとき。開幕戦は特に、結構このような場面が見受けられた。このケースは⑧田中は相当高い位置を取る。また、⑥文が中に絞って、④鈴木の左に⑭普光院が落ちることもある。⑧田中が高い位置を取るため、④鈴木から右CFの⑪大久保に向けて長いボールを蹴って、大久保が落とし、ハーフレーンに立つ⑰東條と⑧田中が近い位置でサポート。右サイドで人数をかけて崩すという狙いが明確な攻め方もある。

この2つの例の解説で、⑧田中と⑰東條の名前をかなり多く挙げたが、右サイドでの崩しの割合がかなり高い。レーンが被らないように、流動的に動き、多くの人が関わって攻略してくる。

アタッキングサードにボールを運ぶと、両サイドバックはサイド深い位置までオーバーラップ。ボランチも高い位置まで上がってきて、ペナルティーエリアには4、5人。多いときは6人入ってくる。


サイドバック裏

鳥取は、サイドバックが相当高い位置を取るため、サイドバック裏はガラ空き。3トップの山雅はここはつけ入るべき。自陣での繋ぎでも、1つ飛ばしのパスの精度を欠いたり、やや高い位置をとったサイドバックへのパスを読まれてカットされたりする場面もあり、奪えればチャンス。
中盤でカットできれば、ボランチも高い位置を取るのでバイタルもかなり空いている。宮崎戦もバイタルはかなり空いていたし、サイドバックのところもスペースはあった。しかし、やや中央から左に固まった攻撃が目立っていた山雅。各選手のプレーエリアを見ても、右ボランチの住田も左ボランチの喜山も、ピッチ左側でのヒートマップは濃くなっていて、トップ下の鈴木、左WGの菊井もともに左は寄り。狭いところでなんとかしよう感もあり、手詰まり、もどかしさがあった。結局、浅い位置からのクロスが多くなり、単調にも見えた。(ボランチは、レフティーコンビということもあり、左にボールが流れたことも考えられる。)
バイタルでボールを受けたときに、素早く外に展開。空いているスペースがあれば迷いなく使っていいと思う。比較的広いバイタルで人が溜まって中央だけになってしまうのはもったいない。サイドバックとWGで中外の使い分けはハッキリさせ、トップ下は裏に飛び出したりとか、サイドで溜まって停滞感が出ないように、相手を撹乱させるような動きも求めたい。


ビルドアップ慌てない


何度も言うように、鳥取の前からの圧力はかなり強い。そんな中、ビルドアップで慌てないこと。慌ててボカボカ前に蹴っては、今シーズン創りあげていっているものの意味がなくなる。しっかりと幅を取り、角度をつけ、レーンが被らないようにして、間間に顔を出し、距離感のバランスに気をつけながら落ち着いて回す。後ろの選手は、すぐに角度をつくってバックパスの選択肢を作ってあげる。そうすれば、相手を広げられる。相手のプレスラインとの距離をとって前に蹴れば、小松が競ってからの2次攻撃ではスペースが空いてくるだろう。別に、ロングボールを蹴ることは悪いことではない。蹴るなら狙いを持って、やりやすいシチュエーションに持っていくことが重要だ。

相手の前線が4枚のため、山雅はボランチが1枚降りて数的優位を作ってもいい。そこから、間にボールを通し、サイドに持っていければチャンスは広がる。
今回はサイドバック裏は大きなポイント。まずここを存分に活かすこと。そして、バイタルでは溜まるのではなく、そこを経由すること。右のサイドバック裏からバイタル経由で逆サイドに移してもいい。ディフェンスラインが手薄になるため、揺さぶれば、クロス対応ののマークのところにもスキは生まれてくる。


注意選手 


鳥取は14番普光院と、20番小澤。まず、普光院。長短のパスを操るダイナモ。彼に自由を与えると、鳥取の攻撃をもろに受ける格好になってしまう。ポジショニングも抜群で、ビルドアップ関与もうまい。キック精度にも定評があり、セットプレーのキッカーも務める。球際にも激しくいって、自分で奪って自ら展開できるのも大きな魅力。この選手に良い形で前を向かせないこと。厳しくチェックに行きたい。
そして20番小澤。途中投入が予想されるが、とにかくテクニックのレベルが高く、ドリブルのキレがある。後半、サイドバックのスタミナが落ちてきたところに飛び出してきて、細かいステップとタッチを武器に抜き去る。縦にも行けるし、カット・インしてからのコンカも持っていて、かなり脅威となる。彼の仕掛けはスペシャルだ。

期待選手


地元紙で、スタメン濃厚との報道もある村越。サイドバック裏を突くという意味で、ガッツがあって自ら打開できる村越はキーマンとなりそう。カット・インして、バイタルにも入っていける点も魅力だ。


最後に


前節は、終盤のスタミナ切れが顕著に出た。鳥取は、途中から前線4枚にキャラの濃い面々を投入してきて崩しにかかってくるだろう。山雅としては、先手必勝。そして追加点必須。できれば、前半のうちに先制点がほしい。先制を取られると、勢いが出てきてしまい、ハイプレスに飲み込まれる恐れがある。取れる時間に取る。自分たちの時間に取る。できれば複数点取る。これは、シーズン通しての課題で、鳥取戦は特に、自分たちの時間に2点以上取るというところは大事になってくる。
似たサッカーを志向するチームとの対戦。今後の試金石にもなり得る試合。攻撃で上回れ。スタートダッシュを決めきるぞ。

Onesoul!!



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