【好き#1】ワールドトリガー(1)

ワールドトリガーはいいぞ


好きなものを書き連ねていくにあたって、1発目はこれしかありません。
と言いつつ、魅力が多すぎて1発目の投稿に間に合いませんでした。

SF少年漫画『ワールドトリガー』!

『週刊少年ジャンプ』の2013年11号から2018年51号まで連載し、作者体調不良による約2年の休載を挟んだのち、2019年1号の月刊誌『ジャンプスクエア』で再開し、現在も連載中です。

根強い人気があり、最新話の発売日になると、必ずSNSのトレンドに関連ワードが並びます。ファンの間で、感想や考察が飛び交い、とても盛り上がっています。

その盛り上がりが伝わるエピソードがあります。

漫画を好きな方はご存じかもしれませんが、数年前に「ワートリヤクザ」という言葉が話題になりました。
これは「ワールドトリガーをまだ読んでいない人に、コミックを全巻送る」という行為を指しています。
「つべこべ言わずに、読め!」と言わんばかりに、発売済みのコミックを全巻箱に詰めて、まだワールドトリガーを知らない友人や家族に、勝手に送り付けてしまうのです。
その布教法はかなり情熱的です。

そんなファンが、1人や2人ではなく、たくさんいました。
「なんか全巻送られてきた」と驚いた様子の投稿が流れると、通りすがりのファンから続々といいねが付く現象は、もはや珍しくありません。

ワールドトリガーのファン達は「ワ民」と呼ばれ、数々の伝説が残されています。それはまたの機会にまとめたいと思います。
さて、そんな熱いファンである「ワ民」を多く抱える本作は、なぜそんなにも愛されるのでしょうか。
今回は、その魅力をまず1つお話したいと思います。

書いているうちに、これ1回じゃ収まらないわと思ったので、何回かに分けるのを見越しタイトルに(1)と付けました。

緻密な設定

まず「ストーリーの土台となる世界観やキャラクター観が深いところ」が魅力だといえます。

超常的なものを表現する、いわゆるSF作品では、その世界観に入り込めるかどうかが重要となってきます。
SF作品を読む時、わたしたちは「ありえない」を「ありえる」と感じ、納得できる瞬間に心を掴まれるのです。

その点、ワールドトリガーには「読めば読むほどその世界に納得してしまう」力があります。

例えば、何かとブツブツ文句を言う登場人物が出てきます。
最初、ただ読んでいるだけの時には「ああ、こういうキャラクターなのだな」と受け止めるだけです。
しかし読み進めていくうちに、彼が、人の陰口を聞き取ってしまうような超能力を持つと知るのです。
人の陰口など、人が聞かせるつもりのないことを、聞きたくなくても聞いてしまうことが、彼の人格にどんな影響を与えるでしょうか。読者はつい想像してしまいます。

このように、キャラクター性に根拠があることが、ますます世界観へ没入するきっかけになります。

キャラクター観のリアリティーで言えば、驚異的なエピソードがあります。

作者はなんと、本作を描き始める前に、まず100人分の登場人物の設定を作ったそうです。

すると何が起こるのでしょうか。
次々登場する新キャラクターが、妙に辻褄の合う存在になるのです。
それまで登場していたキャラクターとの関係、言動、バトルの戦略、ストーリーの展開などが、新キャラクターによって肉付けされていく遅効性エンターテイメントが起きていきます。

「その武器ってそういう戦い方があったのね」
「名前だけ出ていたけれど、そういう立場だったから、ここに登場していたのね」

読み直す度に発見があり、世界観もキャラクター観もどんどん深まっていくのです。

こうして書いていくうちに、またワールドトリガーが読みたくなってきました。

他にも魅力はたっぷりありますので、これから書いていく記事で触れていきたいと思っています。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

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