格差×2ないしは×3でしょうか。映画『パラサイト』
その芸術療法士の資格を持つ米国帰りの絵画先生は、子供の絵を見ながら「この絵はバスキアの絵にも似て、高い芸術性を感じさせます。・・・この端にあるブラックボックスが気になります、ほら、こっちの絵にも」
よくもまあ、こんなデタラメな解説で相手を信じさせてしまうのだから、パク・ソダムの演技力は最高ですね。
地上生活、半地下生活、そして本当の地下生活――。
あんまり書くとネタバレしちゃうので、この辺にしておきましょう。
韓国の格差社会については、日本のメディアなどでこれでもか、というぐらいに喧伝されてきていますので、今さら感もあります。2018年暮れにソウル旅行してきましたが、20.315はそこまでの格差は感じませんでした。
↓ この写真はどこだと思います?
原宿、青山、といっても変わらない光景ですが、ソウル江南(カンナム)にあるカロスキルという一角です。おしゃれな若者がたくさんいます。いわゆる意識高い系(?)のお店や日本風居酒屋やラーメン屋さんもたくさんあります。
一方で、ソウル最大のスラムというエリアにも行ってみました。↓
これも同じ江南にあります。カロスキルの写真は暖色系に、そしてスラム街はシネマ風に加工しちゃいましたので、余計に”格差”を感じるかもしれません。(笑)すみません。
でも正直、スラム街は確かに不潔でそこかしこにゴミが散らかっていたりして「こんな所によく住んでるなあ」と思いますが、おばあさんたちが、庭先で地べたに座り込んで世間話したり、ひなたぼっこしながら収穫したばかりの豆類を新聞紙の上で乾燥させていたりと、不思議に悲惨さは感じませんでした。
新宿や隅田川付近などにもホームレスが結構いますが、彼らはそれで満足している人もいる、と聞きます。
「貧乏人やから、土地代も税金も払えるわけないやろ!」と聞こえてくるようです。これでは、行政当局の苦労いかばかり、かと。
いや『パラサイト』の話です。映画のプロットは『万引き家族』にも通じるものがあります。どっちもカンヌでパルムドールを受賞していますし、両監督ともに仲がいいみたいですね。
公式サイトにポン・ジュノ監督のメッセージがあります。
「この止めることのできない猛烈な悲喜劇に、皆様をご招待いたします。」
前半はゲラゲラ笑えるシーンが多いですよ。
あと、パク・ソダムの魅力にはまりそうです。
【追記】
アカデミー賞作品賞も受賞しました。すごい。
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