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死ぬまでにいくら稼ぐ必要があるんだっけ?

転職をせずにJTCに残留することを一旦決意した。


↑こちらの記事には簡単だがJTC残留の決め手となったポイントを書いている。

”給料を上げるために労働時間が増えるのは嫌だ”と結論付けたが、その背景には
”現職の賃金カーブであればなんとかやっていけそうだ”という皮算用があった。

元々、数年前までは家計簿も付けていないし資産を管理することなどしていなかった。
海外駐在前は毎月給料日に銀行の預金通帳を記帳するだけでよかったから。
複数国の海外駐在を経て保有する通貨も複数となり、そろそろまとめないといけないなとExcelでの月度管理を始めた。

その後、将来家計簿を作成することとした。
年単位で支出予測を項目毎に入力し、収入予測と足し引をするだけ。
作成途中には仕事で予算立案時にP&Lを作成している気分になってしまい嫌悪感が出てきたが、一度フォーマットさえ出来上がれば後はメンテするだけだ。

結論を言うと、今回、転職活動をしてみたり、将来のキャリアを考える上で、この将来家計簿が非常に役に立った
いや、むしろ将来家計簿なくして将来のキャリアを考えられるのだろうか。空恐ろしくなる。

将来家計簿の中では、子供の養育費を筆頭に支出は可能な限り上限に近い数字を採用した。
高校までは公立高校でと考えているものの、セーフサイドに数字を置くために中高大と私立に通わせるシナリオをベースにした。
細かいところでは、塾は月謝に加えて夏期講習などの季節ものもフルフルで入れ込んだ。

収入面は、私の分は現職での賃金カーブを採用。
現実的な数字としたく万年ヒラ課長で打ち止めとした。

妻の分は、私の海外駐在への帯同によりキャリアを崩壊させてしまったこともあり、休職前と比べてかなり控えめな金額とした。

我が家は子供は一人ということもあり、方針としては大学までは学費を100%出してあげたいと考えている。
修士、博士を取りたい場合や海外留学したい場合など追加オプションはあるだろうが、先ずは私大四年コースを前提とした。

当然ながら、家計において学費が占める割合は少なくない。
子供の大学卒業までは多少苦しいことがあっても、それ以降は支出は減る。

収支をシミュレーションしてみたところ、
結論としては”なんとかなりそう”であった。

そうなると、”無理して収入を上げる必要はない”とも結論付けることができた。
もっと言うと、”収入を上げること自体は大切であるが何か大切なものを失ってまでは上げなくてもいい”と考えを整理することができた。

現職はメーカーなので業界を変えれば収入増となる可能性はある。
現在よりも高収入でありながら、労働時間を含む労働環境が今より良くなる可能性もゼロではないのだろう。
ただ、そのような素晴らしい会社に私のような普通の人が採用されるかというと全く別の話だ。

そうなると、私のような人にとってはどうしても収入を上げるためには労働環境を厳しくする必要があると思った。
労働時間が増えれば家族と過ごす時間は減ってしまう。子供と過ごす時間を減らしてまで稼ぐことは果たして正解なのだろうか。
また、会社内での競争が激しければストレスで体を壊したり、余裕のなさから家族に迷惑をかけてしまう可能性も上がる。

残念ながら、現職の会社においても所属先や担当によっては労働時間が鬼のように多いこともあれば、ストレスフルな職場環境もある。
実際に、私自身もそれらを経験したことがあり、今で言うところの”ガチャ”の要素は強い。

それでも、下手すれば”その会社でしか通用しないスキル”と揶揄されるような”この会社での処世術”を駆使して労働環境をよくしていくという期待はある。

現時点で窓際を目指すつもりはないが、特に子供が小さい内にはこれまで少しは貯まったであろう社内のクレジットを盾に、絶妙に仕事のアクセルとブレーキを使い分けてWLBを調整していきたいと考えている。

若い時は、なんとなく給料は高ければ高い方がいいと思っていた。
何億円もする家を買うだとか、高級なモノに囲まれるだとか、ハイソでお金持ちな生活を目指そうとは今となっては考えなくなった。
今くらいで丁度よく、少しの贅沢はたまにはすれど、家族と過ごす時間を大切にしたい。

今後は、老後の収支の精度を上げたり、シナリオ分けをしたりすることで何歳で仕事を辞めてもいいのかをシミュレーションしていこうと思う。
流行りのFIREなのかサイドFIREなのか、はたまた走り続けなければならないのか。
65歳や70歳で例えば1億円あれば安心だとしても、死ぬまでに使いきれなかったり、使ったとしてもいい使い方ができるとは思えない。

お金の価値は年齢によって違うらしい。確かに今の私が20歳の自分に100万円でも送ることができたら、その方がきっと有意義に使えるだろう。
今、家族3人でハワイ旅行に200万円かかるとする。使わなければ200万円は残り、老後の数千万円の一部となるだろう。
例えば65際になったときに、お金に余裕があるからと妻と子供とハワイ旅行に行きたいと思ったとしても無理だろう。行きたいとすら思わないかもしれない。
でも、何十年前のあの時に戻ってハワイ旅行ができるなら2,000万円出したっていいと思うかもしれない。

・人生は思い出作り。
・”記憶の配当”が人生を豊かにする。
・金の価値を最大化できる年齢は”26〜35歳”。
・人生の貴重な時間を犠牲にしてまで”稼ぎすぎ”てはいけない。
・お金を稼いでも子供と一緒に過ごせないなら、それは”与えている”のではなく”奪っている”ことになる。

これらは『DIE WITH ZERO』を読んで気付かされたことの一部。
将来のキャリアを考える上で大変参考になったし、JTC残留を決めた要因にもなっている。

庶民であっても”必要以上に稼がない”という考え方をしてもいいのではないか。
労働と私生活のバランスは永遠のテーマとして向き合っていかなければならないのだろう。

終わり

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