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「たりたりユートピア」 〜エッセイ

ユートピア
一言でいえば楽園だ
それも現代の一般常識民には理解されなくても
自分たちが最高に充実する理想郷だ
なんといい響きだろう
自分たちの理想郷

それも
大きくなくていい
小さな木造の空き家でよい
そこを自分たちで手直ししながら使う
のんびりコツコツと

さて
どんなユートピアか
それは障がいある人もない人も
日本人も外国人も
子どもも高齢者も
誰もが何の隔たりも無く
そこが安堵する居場所のように

絵を描いたり
粘土をこねたり
工作したり
刺繍したり
家を修理したり
音楽を楽しんだり
おしゃべりしたり
悩みを相談したり
写真を撮ったり
読書したり
泣いたり
怒ったり
ふて寝したり
根暗になったり
引きこもったり
マジックしたり
びっくりしたり
笑ったり
まだまだ…

みんなが たりたりをする場所
「たりたりユートピア」

そこは僕自身の居場所にしたいとも考える
僕自身の心の在り処はそこにあるんだと思う

僕もそこで絵を描き
家を修理して
本を読み
音楽を聴いて
珈琲を味わい
新聞や雑誌を読んで
おしゃべりして
ふざけて
みんなをのんびり眺めながら
ゆっくり時を刻みたいのだ

そんな極上な至福の時間は
実際に創れないことはないと思う
できると思う

そこに来るみんなが幸せになり
幸せを感じ
また そこで幸せを創ろうとする

そんな みんなの 私の居場所ともいうべき
ユートピアは 事業や組織的なこと
お金のことは後にして
どんなことをしたいのか
どんな時間を創りたいか
どんな時間を過ごしたいか

そんなことを真っ先に考えて
実現して
後からお金はどうしていこうかな
こんなんお仕事になるかな
これってやったら面白そう
やってみたらどうなるんだろう
って そんなわくわくで
好奇心で
いつも頭の中はいっぱいの
そんなユートピアを創りたい

事業性や収益はどうするのか
コンセプトやビジョンは?
ユートピアを創るのに
そんなんは先じゃない

僕らはみんな 何がしたいのか
それが真っ先だ

でも
それを決めないことも大切だ
何をするか 計画あってもなくてもいい
すべてはその時その時
今の感覚や感性を大切にして
心の赴くままに 心の声に耳を澄ませて
あるがままに素の自分で時を刻んでいける
そんなユートピアを創りたい

効率性や目的
成果や結果
時間の無駄は許されない
そんな昨今とは無縁の
人間味あふれる
リアルな時間を生む
そんな居場所
そんなユートピアはいかがかな
と僕は思うのだ

「たりたり」っていいじゃないか
僕は好きな響きだな
どんなことしてたっていい
好きにしてればいい
何にもしなくたっていい
ただ存在がそこにあるだけでいい

そんなことが当たり前に許される
そんな時を創出するような
木造の古い空き家を直しながら
僕の みんなのお城ともいうべき
ユートピアを建築したい
アントニオガウディのサグラダファミリアのような ずっといつまでたっても完成しない
造り続けるユートピア
そんな終わりのない
生きていてずっとわくわくしっぱなしの
小さな小さな「たりたりユートピア」を
私の愛する横浜に建築したい
私の生きている間に…


2024年7月23日






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