ウィーンな1日 航空券編
ウィーン行きのチケットを取った。と言っても行くのは半年以上先だが、取るならこの日がベストなような気がした。
9月の福岡・鹿児島旅行から帰ってきて思ったのは、そろそろ国内旅行は卒業だなということ。国内は楽だ。言葉は通じるし通貨も同じ。チップもいらない。移動も大抵のことは分かる。なんて楽。楽ゆえに刺激がなくてつまらないとさえ思った。刺激が欲しいだなんてアブナイ考えだけど、海外に行くと自分が広がる感が半端ない。食べ過ぎて体が横に広がるのはもちろん、経験値としての幅がぐっと広がるのだ。知っているというのは強い。
経験は人を強くする
その9月の国内旅行の後、モヤモヤが続いていて少し体調まで崩した。なんだか分からない不調。不定愁訴というやつだ。なになに?このイヤ〜な感じはなに?と理由を探してみる。たどり着いた答えが、どうやら私は『目標がないということに居ても立っても居られないようだ』ということだった。それを打破したのが、ウィーンに行くことである。
そうだ、ウィーンに行こう
京都のように超特急列車で2時間くらいの距離にウィーンがあれば週末にふらっと行けるのだが、現実は飛行機で17時間超である(フランクフルト乗り継ぎ)。思い立ってちょっと行ってくるわーという場所ではない。
日程はすぐに決まった。行くならあの日だ。ウィーンでとあるイベントがある。ヨーロッパに行くなら1週間は滞在したいけれど、仕事を長期休むのは気が引ける。夜の便で出発して翌朝到着すればその日を丸々使えるし、帰りは夕方の便にすればギリギリまで居られる。目的のイベントの日を挟んで前後の日にちを決める。現地に3泊するスケジュールになった。ヨーロッパということを考えると弾丸旅行だ。
それからというもの10月の1ヶ月はANAのサイトで便を検索して価格を見ては閉じ、選択してカートにまで入れたのにキャンセルするという日が続いた。半年先のことなので、その時私はどうなっている?ということも考えてしまった。それを考えたらキリがないけれど、最後の購入ボタンを押す勇気がなかった。
職場の人たちに来年海外に行きますよと長期休むことを匂わせてみたもののモヤモヤは続く。考えてないで買っちゃえ!という声も聞こえてくる。ん?幻聴か?(精神科あるある)その声を小心者の私が抑える。ん〜行くことは決めたんだから買ってもいいんじゃない?と自問自答している間に航空券の価格はじりじりと上がっていく。うをー!毎日ANAのサイトを見ているのになぜに決められないー!
11月に入ると万単位で航空券の価格が上がっている。そろそろ本当に買わないと……と腹を括り始める。ああ、これ、初めて沖縄に一人旅する時に航空券を買おうとして購入ボタンを押す指が震えたのと同じだな〜なんて16年前のことを思い出した。あの時もえい!と購入ボタンを押したらスッキリしたんだった。それにウィーンは去年も行ったではないか。
いつ買おういつ買おうと『その日』をいつにしようか考える。そして訪れた11/7、ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパンの初日。ミューザ川崎シンフォニーホールでのチケットは半年前に購入している。コンサート当日と翌日は休みも取った。ならば!と思う。買うならこの日だと。
せっかく休みだし、航空券を買うなら旅の雰囲気のある場所でということで羽田空港第3ターミナルに行くことにした。展望デッキで飛行機の離発着を見ながらウィーン行きのチケットを買おう。風は強めだけど爽やかな秋晴れの午前。T3には何度も来ているのにルフトハンザ機が駐機しているのを見るのは初めてだ。機体のドイツ国旗が目に入る。
目下ドイツ語学習中の私、そしてドイツ語圏のオーストリア・ウィーンに行くための航空券を買おうとしている私の背中を押してくれているようだった。いやいや、そんなわけない。たまたま駐機していただけだ。なんでも結び付けたがるほどにあと一押しが欲しかった。
ベンチに座りマイルをANA SKYコインに変える。20万を超える航空券。少しでも足しにしたいのだ。出発地、到着地、往路、復路、座席まで指定してあとは購入ボタンを押すだけまで来た。ん?コインが使えないぞ?たとえ数万でも使いたいぞ。一旦キャンセルして階下のANAカウンターまで行きグランドスタッフに聞いてみることにした。
すると、SKYコインが使えるのはANA自社便のみで、乗り継ぎで他社提携便が含まれているとコインは使えないとのこと。うむ、万事休すか?コインを別の旅行で使うか?いや、今使いたい。ならば!と閃く。羽田-フランクフルトの往復をANA便で購入し、フランクフルト-ウィーンの往復をAustrianで購入すればいいのでは?分けて買えばコインが使える。よし!と思ったが、そうすると荷物を一度フランクフルトでピックアップしてまた預けないといけなくなるのではないか?
うむ、今度こそ万事休すか……と思っていたら、ANAのグランドスタッフさんが調べてくれると言う。羽田でチェックインする時に往復の最終到着地まで荷物が運ばれるよう登録できるそう。ANAとAustrianはSTAR ALLIANCEなのでそれが可能なのだとか。ならばその方法で購入しよう。ANAのグランドスタッフさん、ありがとう!一生ANAに乗ります!
次の予定があったのでT3を後にする。京急の中でANAとAustrianのアプリを開き、日にちと時間を間違えないように選んでいく。ゆっくりお茶でも飲みながら購入すればいいのに、早く確定したかった。京急を降りてJR方面に向かう間も歩く人に気を付けながら購入画面にたどり着く。よし、コインも使えるぞ。ANAだけで20万を切る。結局購入ボタンを押したのは駅のエスカレーターを上っている時だった。
その後、Austrianの航空券も購入し、別々に予約することになったため、Austrianも座席指定ができることになった(有料)。ANAサイトで購入すると他社提携便であるAustrianの座席指定はできないので、結果的にこれが良かったのだ。フランクフルトからウィーンは右側、ウィーンからフランクフルトは左側の座席を指定した。天気が良ければアルプス山脈が見えるはず。去年は座席指定ができなかったのでドイツやオーストリアを空から眺めることはなかった。去年出来なかったことが来年できるようになった。嬉しいぞ。
しかも、ANAサイトで購入するより別々で購入した方が数万円お安くなったのも幸運だった。神様が「今日お買いなさい」と言ってくれたのだ。と言うものの、私は神を信じない。神だと思うものは実は自分の直感だと信じている。だから、11/7にウィーン行きの航空券を買うことになったのは、自分が『買うならこの日が良き日』と思っていたのだろう。
起きることは自分にとってベスト
2025年、再びウィーンに行くことも私にとってベストなのだ。