見出し画像

賢く我慢を学んだ子は将来伸びる:  「マシュマロ・テスト」の結論です


 賢く我慢を学んだ子は将来伸びるという報告をご存じでしょうか。
 スタンフォード大の心理学者、ミシェル・ワルタさんが「子供たちのディレイ・グラフィティケーション(Delayed Gratification)を調べる実験として有名です。

 「マシュマロ・テスト」として有名な我慢の実験は、Wikiによると最初はトリニダード・トバゴで行われたようです。

 ミシェルは1つの島に住んでいる異なる民族はそれぞれの民族に対して、特に無謀さや自制心、物事を楽しむことなどについて互いに異なる固定観念を抱いていることに気づいた。そこでミシェルは地元の学校に通う7歳から9歳の子供たち53人(黒人35人と東インド人18人)に対して実験を行った。
 子供たちは今すぐに1セントのキャンディーをもらうか、1週間後に10セントのキャンディーをもらうか選ぶ。 出典:Wiki「マシュマロ実験」

https://ja.wikipedia.org/wiki/

 米国スタンフォード大の職員の子どもが通う学内の付属幼稚園で、1970年に行われたようです。参加者はのべ600人ほどになった大規模なもの。
 被験者である子どもは、気が散るようなものが何もない机と椅子だけの部屋に通され、椅子に座るよう言われる。机の上には皿があり、マシュマロが一個載っている。目の前にあるマシュマロを食べることを15分間我慢すると、あとでより多くのマシュマロをもらえると言われます。さて、15分、我慢できるかという課題に直面します。子供たちの言動は、カメラで記録されていました。結果、1/3の子供達はできました。しかし、2/3の子供たちは目の前のマシュマロを食べてしまっていたのです。我慢できた子供たちは、より多くのマシュマロをご褒美にもらうことができたという話です。

 しかし、実験は、それでは終わらなかったのです。追跡調査が行われました。1972年にこの実験が行われた時、子供達の平均年齢は4歳半だったそうですが、16年後の1988年に、実験に参加した子供たちについて、親の評価を調査するという形で現状調査が行われたのです。

 すると、我慢できた子供たちの能力は我慢できなかった子供たちより高いという結果になったのです。親の評価ですのでそれは主観的な評価です。そこで客観的に見るために、1990年に再調査が行われました。

 アメリカで行われている大学入試の時に必要な学力一般テスト、SATの点数を較べました。すると、我慢できた子供たちのSATの点数は、我慢できなかった子供たちより高かったという結果がでたのです。

 さらに21年後の2011年、再々調査が行われました。実験に参加した子供たちは、中年になっています。そこで、脳の検査をしたんです。検査機器は当然、最新の機械です。
 その結果、我慢できた子供たちの脳は、計画、社会行動の調節に関係する前頭前皮質が、我慢できなかった子供たちより活発に働いている事がわかりました。
 反対に我慢できなかった子供たちは、快感や満足度などに関係する部位である腹側線条体の活動が我慢できた子供たちより活発でした。

 以上が「マシュマロテスト」の話です。
 賢く我慢を学んだ子は将来伸びる、というのが40年近く継続して行われた実験結果でした。

 我慢するということは、ただ先延ばししている訳ではない。
 将来を見据えた計画の下で、今は見送るという事なのですね。
 そして、その判断は、脳によって行われる。
 脳は、訓練によって鍛錬すると強くなる。

 私たちにとって、幼少期からトレーニングするとすれば、
どういう訓練の仕方が適しているのでしょうか。
 開講を予定している「子供向けビジネス教育」の中でも、長期的な視点に立つ必要があることの事例として紹介されています。

まとめ
・マシュマロテストは40年にわたり繰り返し実施された
・我慢できた子供たちの脳は、我慢できなかった子供たちとは異なる脳の機能発達がわかった
・その成果は「子供向けビジネス教育」にも取り入れています

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?