#27 今日も一杯の酒をやって

子どもっていいよなあ。
オレは、子どもがいなかったからさ、仕方ないんだけど、スーパーとかでたまに子どもが走り回ってたり、声をあげて泣いていたりすると、なんかニヤニヤしたり、胸が締め付けられたりする。

でもまあ、オレは好きなことやってきたし、いろんな思いを裏切っても、自分の生き方をしてきたんだから、仕方ない。

今から子作り？　やめとくさ、彼女に申し訳ない。
今さら立たないもんなんだよ、この年になると（笑）
それに、５０超えて子どもでも作ってみろ、お金の心配はもちろん、それより、世間体が悪すぎる（笑）、まだまだお盛んなのかって！（爆笑）

連れ合いとか、子どもとか、それがあると、この世に生きていく意味が生まれるんだよな。
その意味があることが、幸せの１つだと言える。

■　君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな

恋しいあなたに逢うためなら惜しくないと思ったこの命、逢えたらいつ死んでもいいって思ってた。だけど、こうして逢ってしまうと、思いが通じ合うと、とたんに長く生きていきたいと思うんだ。

執着心。
生きていきたいと思う心を、いつのころからか、オレは「生きることへの執着」と呼んできた。

子どもがほしいと思いつつ、オレがこうして今あるということは、オレの執着心は、少なくとも若いころは、「子ども」にはなかったんだろうな。
大事なものは、「自分自身」だったんだろう。

そして、やりたいことをほぼほぼやって、ふと思うと、子作りは・・
世間体が気になって、あ、いや、男性の機能的に無理なんだな（笑）

まあ、それはそれで、１つの答えでしかなくて、これからどうするかは、今まで通り、今から考えることかなと思う。
彼女と籍を入れないのも、そのこと自体を、さほど求めてなくて、会いたいときに会う今の状態でけっこう満足できてるからなんだろう。

でも、オレは、欠陥人間だからな、ただ単に、「執着」をもちたくない、とビビってるだけなのかもしれないな（笑）

エブリリトルシングの「恋文」にこんなところがあったな。

■　なるようにしかならない　そんなふうにしてはいつも
　　手放してきたこと　たいせつなものを
　　信じ続けることは　とてもたやすくはないけど
　　ほんのわずかでも

上手く生きられないけど、何か、自分が大切にしたいものを持って、信じていくことなんだろうと思う。

それが、恋人や子どもであっても、自分の生きがいであっても。

先日、オレが尊敬している武田邦彦さんが入院した先で、動画配信してた。
突然の病気で相当大変そうなんだが、それでも、変わることなく話をしてた。

どんなに執着をもっても、死ぬときは身体１つ。
そこに一点の迷いもないんだ。

・・
まかり間違って、子作りするかもしれないが（笑）
なくても、それはそれでいい。
今日も一杯の酒をやって、明日も朝を迎えればいいんだろうなあ。

さ、楽しく飲もうか。