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新3年の先輩達による恐怖政治の話

3年生と景子先生がいなくなって数日

今まで静かだった2年の先輩達が新3年生になった途端

本性をあらわにします。

景子先生の2年間のみっちりスパルタ指導と

仲間意識が強く目標が高い3年生に対して

ずいぶん不満があったみたいで、景子先生と3年生がいなくなった途端、

新3年生は、急にやさぐれだし

練習にも身が入らなくなっていました。

今まで押さえ込まれていた感情が爆発しているみたいで

それに加えて木管楽器パートと金管楽器パートの先輩達の仲の悪さも目立ち始めました。


私の勝手なイメージですが、

木管楽器の先輩達は、

お嬢様系、清楚系、女子力が高め系の人が割と多く

金管楽器の先輩達は、

ガヤ芸人系、いい意味で女の子女の子してない

サバサバ系の人が多かったので

相性はあまり良くなかった気がします笑
(偏見ですいません笑)

木管楽器の先輩は金管楽器の先輩のことを

「うるさいだけが取り柄のバカ」と愚痴ったり

逆に金管楽器の先輩は木管楽器の先輩のこと

「お高くとまってるバカ女軍団」と罵っていました。

とにかく仲が悪く雰囲気もだんだん悪くなってきました。


そんな中、新部長と副部長を決めることになりました。

毎年金管楽器と木管楽器から1名ずつ選ばれるのですが

この人選がミスりこの後の吹奏楽部の雰囲気がさらに最悪になってしまいます。

投票の結果

部長  古谷先輩

副部長 なる先輩

に決まりました。

2人とも楽器が上手と評判でしたが、

性格はすこぶる最低で、いじめっ子気質でした。

とにかく楽器が下手の子には、容赦なく悪口を言います。

特にトランペットパートは、練習してない私が言うのもアレですが...先輩達以外は、お世辞にも上手いとは言えない状況で

なる先輩の悪口の標的でした。


全体練習でもトランペットパートに対し

「邪魔だから出ていけ!へたくそ!」とみんなに聞こえるように怒鳴っていました。

悲しい顔をして、譜面とトランペットを持って

全体練習の場所から出て行く姿を横目で私は、見ていました。

実は、新2年生になる前、

景子先生から

「あんたトロンボーンやらない?体もでかいし」と言われて

実は、こっそりトロンボーンパートに移っていました。

景子先生の読みは当たり、私とトロンボーンの相性バッチリでした。

そもそもなぜトランペットが合わなかったのかと言うと

単純にマウスピースが小さくて
分厚い私の唇に合わなかっただけでした。

トランペット奏者は、唇が薄い方が圧倒的に有利ですが

それに比べてトロンボーンのマウスピースは唇がすっぽり隠れる位大きく演奏しやすかったので私にはピッタリでした。

それにトロンボーンには優しい先輩がいました。

ゆきほ先輩という先輩で

トロンボーンのパートに初めて来た時は、
早く緊張解くために私にかわいいあだ名をつけ、いろんな先輩たちに紹介しては、褒めてくださいました。

ゆきほ先輩は、木管楽器、金管楽器、打楽器のパートの人とうまく意思疎通ができて、みんなからイジられ

愛されキャラでした。

ゆきほ先輩のおかげで楽しくトロンボーンを続けられたし、

いろんな先輩たちから話しかけてきて

自分はちょっと優遇されていました。

私自身、別にトロンボーン上手くなろうと思っていなかったので、実力的には普通でした。

本来ならば、新部長と新副部長から目をつけられてネチネチ悪口を言われる対象でしたが、

ゆきほ先輩のさりげないフォローがあり、

私はその対象から外れてイジられるポジションにいました。

ひどいいじめの対象になるくらいだったら

いじられた方がよっぽどマシ

むしろ私は、いじられる方がむしろおいしいとさえ思っているし

嫌とは思っていませんでした。

その一方でトランペットパートがまた怒られて
全体練習から追い出されていました。

その後は、先輩たちの悪口大会が始まります。

トランペットの〇〇ちゃんいつになったら上手くなるのかなぁ?

知らないー笑笑

トランペットの先輩が笑いながら話してるの聞いていると、胸が痛くなり

本来なら先輩が後輩を面倒みるべきなのに
彼女たちはほったらかしで

それどころか脇で声高らかに笑っていました。

私は内心、トランペットパートの子達は、気の毒だけど、標的が私じゃなくてほんとによかったとさえ安心していました。

金管楽器の先輩たちが悪口で盛り上がっている中、ゆきほ先輩は、何も言わず自主練に励んでいました。

その後も部長の古谷先輩と副部長のなる先輩の恐怖政治は、続き、なんと先輩の同級生にまで及んでいました。

実力がないピッチが合わない同級生にも

とことん嫌な攻撃を仕掛け、無視も平気でしていました。

あるときは、

聞こえねえよへたくそな音を出すんじゃねーよ

辞めたかったらいつだって辞めたっていいんだからな!

と言う感じで聞こえるように悪口を言うパターンもありました。

そんな日常を過ごしていたので、自分は攻撃対象じゃないけど先輩達に攻撃されて泣いている部員を見て

一体音楽って何なんだろう?

もっと楽しくみんなでできる部活なんじゃないのかな?

だけど先輩たちが強くて今度私が標的にされたら耐えられない。

そう自問自答していたら、

ある日の全体練習中

新しい顧問の先生が指揮を止めて

「あなたたちの演奏は、聞く価値がありません

一人一人技術は上がっているようですが、


金管楽器も木管楽器も打楽器も1つのハーモニーになっていません。

自分の技術だけが上手くても相手のことを思い

やれないようだったら吹奏楽部員は失格です」

そういう風に言われて、その場がし〜んとなりました。

だけど状況は変わらず、

相変わらず新部長と副部長は恐怖政治を続けていました。

不穏な空気は止まりません。

私たち後輩は、ただ黙って練習するしかない日々を過ごしていました。


そんな状況が続いたある日

新3年生全員だけが音楽室に集まっていました。

後で聞いた話ですが、古谷先輩となる先輩の

卑劣な指導に対して異議を唱えた3年生達がいました。

こんな指導法だと部活に悪影響だ

ただのいじめだ

と叩かれ

古谷先輩となる先輩は

「強く言えばみんな動いてくれると勘違いしていた」とみんなの前で号泣していたらしいです。

その日から、2人による恐怖政治がなくなりましたが、

根本的な性格は変わっていなかったので何かあるたび2人はコソコソ悪口を言っていました。

その後の吹奏楽部生活も特にぱっとした事はなく

いい思い出もそれほどなく

新3年生もあっという間に卒業し

私の前から消えていました。

その後は、純粋無垢な後輩たちが入ってきました。

対してちゃんとしたオチもなく

あまり面白くもないし胸糞が悪い記事で

すごく申し訳ないのですが、

最後に吹奏楽部に入って良かった事は、

合奏しているとみんなの音が1つになる瞬間があります。

その瞬間がとても心地よく非常に気持ちがいいです!

そして、演奏をみんなの前で披露して拍手喝采を受ける瞬間が非常に嬉しかったです。


私は別にうまくなかったですが、喜んでくれる人の顔見るとやっぱり嬉しかったですね。


後は、かわいい後輩たちに恵まれたことです。

私は実力不足で大した先輩ではありませんでしたが、下に後輩ができるのがやっぱり嬉しいし

先輩にいびられて、この思いは絶対後輩にさせたくないと言う気持ちが芽生えたので

この点に関しては嫌な先輩たちに感謝してます。

ありがとうございました。

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