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エリック教授のWeekend ミュージック #4 エイジア 「ヒート・オブ・ザ・モーメント (Heat Of The Moment)」

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No Music No Life
音楽は人生のサプリメント。エリック教授の超音楽的日常。

おはようございます。エリックです。
皆さん、音楽を聴いていますか。
前回、Foreigner(フォリナー)のWaiting For A Girl Like You(ガール・ライク・ユー)を紹介した後、何度も曲を聴いて、当時のいろんなことを思い出しながら、80年代熱がふつふつと湧き出てしまいました。
やっぱり、音楽は素晴らしいですね。

いい曲は、イントロで衝撃を受けるものとサビのところで衝撃を受けるものがあります。
ガール・ライク・ユーは、イントロでものすごい衝撃を受けました。イギリスのシンセサイザー・アーティストであるThomas Dolby(トーマス・ドルビー)が弾いたあのサウンドは、究極に美しいものでした。

さて、今回ご紹介する曲は、僕が大学生の頃、妹が見ていたテレビでプロモーションビデオが流れ、音を聞いた僕は衝撃をうけ「なんなんだ!これは!」と思いました。すごいかっこいいハードなギターイントロから始まり、そこから目まぐるしく曲が展開していきました。それが、1980年にデビューしスーパーバンドと呼ばれたASIA(エイジア)です。

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ファーストアルバムは、全米ナンバーワンを9週連続でキープ、全世界でこのアルバムだけで15,000万枚のセールスです。化け物ですよね。アルバムのオープニングの曲で、MTVでビデオ公開されたのが、Heat Of The Moment(ヒート・オブ・ザ・モーメント)です。それを僕はテレビで見たんですね。

当時、プログレッシブ・ロックというのはあまり知らなかったんですけど、実はこのバンドは、すでに世界的なキャリアや知名度を得ていたミュージシャンばかりでした。だからスーパーバンドといわれていました。
残念ながら他界してしまったとても美しい声のヴォーカルJohn Wetton(ジョン・ウェットン)は、キング・クリムゾン、ロキシー・ミュージックなど伝説のバンドにいました。さらにヒート・オブ・ザ・モーメントのかっこいいオープニングを弾いてるのは、プログレの雄といわれているイエスにいた伝説のギタリストのSteve Howe(スティーブ・ハウ)。ドラムスは、天才的なバンド、エマーソン・レイク・アンド・パーマー(ELP)にいたCarl Palmer(カール・パーマー)です。キーボードは、「ラジオスターの悲劇」のThe Buggles(バグルス)にいたGeoff Downes(ジェフ・ダウンズ)です。

当時、衝撃的だったのが、MTVの世界初の試み、日本のライブの衛星生中継です。
時差を考えて向こうのゴールデンタイムにあわせた夜中の2時という、すごく変な時間からの中継でした。エイジアが全世界でとんでもない売り上げをあげていく中で、世界ツアーが行われ、日本武道館でのライブが世界に発信される、というタイミング、ここで前代未聞なことが起きてしまいます。
いきなり、リードヴォーカルが辞めちゃったんです。どうするのかなと思ったら、ドラムスのカール・パーマーがいたエマーソン・レイク・アンド・パーマーの、Greg Lake(グレック・レイク)がヴォーカルになった。

結局、MTVの衛星生中継は、グレッグ・レイクがやりました。ジョン・ウェットンより少しキーが低いんですよ。なのでちょっと可哀想な感じはしました。彼は素晴らしいヴォーカルなんですけど、やっぱり人の曲ですからね。
しかも、さすがにこの短期間で歌詞を覚えられなかったらしく、目の前のモニターの歌詞をガン見でした。一生懸命、カラオケ状態で、日本武道館で歌って、それが世界生中継されるんです。グレッグ・レイクも大変だったと思いますが、それが、世界初のMTVの衛星生中継になり、やっぱり、素晴らしい演奏でした。
僕はいまだにパンフレットを持っています。パンフレットの写真って、普通は他のツアーの写真が使われるじゃないですか。でも、グレッグ・レイクは日本からなのでツアーの写真がない。ライブの前に、どこか近くで合宿してるんですよね。一気に演奏できるように。だから、ほとんどが合宿の写真で、ジャージを着てるという、恐ろしく地味なパンフレットになっていました。

最終的には、2007年に、ジョン・ウェットンが和解して戻ってきて、オリジナルメンバーでの来日コンサートが行われました。素晴らしかったです。
演奏が素晴らしいのはもちろんなんですけど、メンバーそれぞれがスーパーバンド出身なので、各スーパーバンドの曲をやる、というパートがありました。これは、きましたね。
まず、ジョン・ウェットンは、キング・クリムゾンのデビューアルバム「クリムゾン・キングの宮殿」から 21st Century Schizoid Man(21世紀のスキッツォイド・マン) をやりました。


スティーブ・ハウのイエスからは確か、アルバム「Fragile(こわれもの)」からRoundabout(ラウンドアバウト)をやったと思います。


エマーソン・レイク・アンド・パーマーは後期の頃のアルバムの曲から、Fanfare for the Common Man(庶民のファンファーレ)をやりました。

一番きたのは、キーボードのジェフ・ダウンズのバグルス「ラジオスターの悲劇」です。イントロ聴いて、涙がちょちょ切れました。ジェフさん、それはやり過ぎでしょ、と思いながら、ほんとに感動しました。


これだけのプログレッシブ・ロックの雄が集まったバンドです。
普通なら不変拍子で、バタバタと超長い曲になったりするんですけど、ヒート・オブ・ザ・モーメントは非常に聴きやすい曲になっています。
とてもクオリティーの高い内容が詰め込まれているにもかかわらず、誰が聞いても楽しめるような内容にこのメンバーで仕上げてきたと言うところが、奇跡的なアルバムだと思います。

エイジアのファーストアルバムは特に優れています。曲にハズレがなくて、全ての曲が主力の曲です。
なので、僕としては是非アルバムを聞いて欲しいです。
まずは今日ご紹介したヒート・オブ・ザ・モーメントをYoutubeで見て、オープニングの衝撃を味わってください。

ヒート・オブ・ザ・モーメントで日曜日を迎えるの、悪くないと思います。
アメリカン・ロックと、ブリティッシュ・ロックと、プログレッシブ・ロックを、うまくジューサーにかけて出したら、なんだかおいしかった、という仕上がりになっています。

超一流の伝説のミュージシャンたちですので、もちろん究極の演奏なのですが、それだけの人たちがこれだけシンプルな演奏をしているところが、すばらしいです。
やっぱり上手いと「俺はこんだけすげえんだ!」と見せつけたくなりますからね。
それを本当に曲に込めたところが、エイジアのファーストアルバムの魅力になっています。

これを機会に、ヒート・オブ・ザ・モーメント、エイジア聞いていただければと思います。
皆さんの音楽との出会いの一つになれば、とても嬉しいです。

Peace out,

Eric

★Apple Music プレイリスト「エリック教授のWeekendミュージック」も聴いてくださいね!

「エリック教授のWeekend ミュージック」noteチーム 
 エリックゼミ
 大滝理紗、加藤美野、川口真凜、関根侑希、高橋幸智、細田知美


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