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過去からのシグナル

意識の中の声はほんの一部分で
気づいていない声は大きすぎる

はるか彼方の遠い昔
この小さな心臓が躍り始めた瞬間に

命という名前がつき
神は形を想像したと誰かが言い伝え始めた

彼方の星がひとつ輝くたびに
彼方の星からのシグナルは光を作りからだをすり抜ける

土の深いところの土の暗いところの
光が届かない深い深いところまでシグナルは走る

星空を見上げたら
大型旅客機が爆音で暗闇を覆うように飛び立つ

星空は大型旅客機を包み込んで
たった一つの星に姿をくらませた

夜露が風と共に星を隠そうとすることを拒むように
過去からのシグナルは確かに脳裏にしみ込んでいく

私はほんの細胞の一つでしかないことを
指に触れる夜露で確かめる

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