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嬉しい瞬間

服でも音楽でも、器でも野菜でも、家具でも、

出会った瞬間にこころが飛び跳ねるような、嬉しい感覚が訪れる事がある。

値段やブランドの説得力とは全然違って、柔らかい、愛おしい気持ち。

こんな素敵なものがあるんだ。作ってくれた人はどんな人だろう?これからどんな風に使っていこう。思いを巡らせてわくわくする。

前の住人から家具を買い取る引き継ぎのために、一部屋一部屋一緒にまわりながら、彼らの思い出や、どうしてその家具を購入したか、値段の交渉も含めて話を聞いた。

有名なデザイナーのランプでも、こころが反応しなかったので、丁寧にお断りした時に、「理由を聞かせて欲しい」と尋ねられた。

「このランプの説明をしていただいても、その価値がよく分からないのです。そういう持ち主(私)のところに置いておくのは勿体無いからです。」とお伝えすると、ドイツ人のその方は、「それは明快な答えだね!その通りだと思う。ありがとう。」と逆に嬉しそうに反応してくださった。

他に、その方のおばあ様から受け継いだと言う、250年ものの(私にとっては)素敵なアンティーク食器棚がひっそりと角に置かれていて、話を聞くとeBayで叩き売りに出したとの事。これをカントリーハウス風のキッチンに置いたら、絶対素敵!グラス類を入れよう。とイメージが湧いたので、買い取りたいと伝える。

その気持ちが伝わったのか、「代々引き継がれてきたものが、こんなに気に入ってもらえて、この先も使ってもらえて嬉しいよ。」と。

どんな国で生きていても、同じ気持ちで繋がれる事が嬉しい。物でも気持ちでも、大切に受け止めると、満たされる。

お気に入りを少しずつ集めて、丁寧に作っていこうと思う。

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