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共創型ワークショップを実践していて思うこと

今日は最近自分がやっているお仕事について、振り返ってみたいと思います。Note初心者の私なりに、整理力と読みやすさについても学んで行こうと思い、まずは簡単な目次から

ダイバーシティな環境下でのワークショッププランニング

私の勤める会社では、多様な国籍と人種の才能が集まり、私以外のメンバーはみなバイリンガルで活躍しています。このダイナミックな環境で意見の一致を図るためには、ディスカッションプロセスが極めて重要で、社内では日常的にオンライン・オフラインを問わず活発な議論が行われています。社内ワークショップもその一例で、ホワイトボードやMiro Boardを駆使し、驚くほどのスピードでアイデアを交換し、洗練していくのです。

しかし、アラフィフの私にとっては、英語と発言のスピードが難関となり、頭がオーバーヒートするほどの状況に陥りがちです。仕事柄、ワークショップをお客様に提供し、共創的な問題解決プロセスを実践することも多いのですが、その企画段階で注意すべき点がいくつか見えてきました。

具体的な細部については後ほど触れますが、大きなポイントとしては、ワークショップ参加者のスタンダードを見極めることが重要です。私たちの会社のように、スピーディでダイレクトな意見交換が許容されるカルチャーを持つお客様であれば、我々が普段行っているワークショップのスタイルがそのまま通用します。しかし、典型的な日本流のビジネススタイルを採用しているお客様との対話では、私と同じようにオーバーヒート気味で、ストレスがたまる状況が生じるリスクがあります。このような場合には、柔軟に対応し、異なる文化や働き方に適応することが求められます。
これは、ごくごく当たり前の事に聞こえますが、今後働き方と共に企業カルチャーが多様化する今後のビジネスシーンに置いて自社のスタイルを客観的に捉え、多様なお客様のスタイルに融合させていくといった事はとても重要な成功ファクターであると考えいます。
ここからは、どのような違いに目を向けてワークショップのプランニングを構成すべきかといった私なりの気づきを書いてみました。

文化的背景の違い

冒頭で述べた通り私の勤める会社は、まさにダイバーシティの象徴で、性別や年齢、役職に関係なく、フラットで開かれた組織が特徴です。その中で、私は超日本流のビジネススタイルを経験してきたマイノリティな存在ではありますが、それもまたダイバーシティの一環として認められています。同時に、私は会社が目指す次世代アプローチへのチャレンジも求められています。
そんな中で、日本流ビジネスを推進するクライアントへ提供するサービスにおいて、ダイバーシティ文化と日本流ビジネス文化の違いを考慮することが重要だと感じます。以下に、その違いについて簡単にまとめました。

コミュニケーションスタイル

弊社のようなダイバーシティ文化の企業では、 オープンで率直な意見交換が行われ、階層や役職に関係なく発言が歓迎されるのが当然です。もちろん、ある程度の空気は読むかと思いますが、するどいツッコミや指摘は感謝に値するものであるといった文化が根付いているかと思います。日本流ビジネス文化では、間接的で丁寧なコミュニケーションが好まれ、上下関係が意識されることが多いかと思います。この事により、全体的な調和は計られますが、物事の進行がとてもゆっくりとなってしまい、スピーディーでドラスティックな成功体験を得ることができないといったデメリットがあるかと思います。毎回のミーティングがマンネリ化されることで、発言や資料の準備が定型化される安心感はありますが、デジャブーのようなディスカッションに飽きて集中力が削がれるというのは良くある事ではないでしょうか?

教育の違い

このようなコミニケーションの違いは、色々とメンバーと話をしていると家庭、学校での教育の違いが大きく影響しているように感じました。日本の伝統的な教育スタイルでは、集団での学びや協力が重視され、自己犠牲も厭わない姿勢が求められます。これは日本の強みである一方で、多様化する社会において、自己犠牲が過剰になることで人生にリスクをもたらす場面が増えるようにも感じています。

対照的に、ダイバーシティ文化の中で育ったメンバーは、個人の思考や創造力を育む教育を受けてきました。これにより、彼らは自己に対する自信と自己肯定感が非常に高く、受け身の教育に頼らず、答えが人それぞれであるという原則に基づいて物事に取り組んでいます。フィードバックに対しても寛容であり(ある種気にしない)、それが情報発信の原動力となっていると勝手ながら考えています。

意思決定プロセスの違い

次にクライアントのタイプによって、ビジネスの意思決定プロセスの違いが大きく異なり、ワークショップのプランニングにおいてはこの点を見誤ると期待値もずれるし、成果も大きく変わってしまうように思えます。
まず、日本流ビジネス文化における意思決定プロセスはと言うと、とにかく全員が納得できるような合意形成が重要視されます。そのため、意思決定のプロセスは時間をかけて徐々に進められ、時間がかかることが多い。この辺りの前提を無視して、こちら側の都合でプロセスをプランすると参加者の拒否反応と個々のマインドのオーバーヒートが相まって相当のストレスを与えてしまう事になるでしょう。同様の観点で一致団結が大切にされるため、意思決定では多くの人の意見を聞き、一つの結論にまとめることが優先されますね。これにより得られるのは、チーム内の調和と言えるでしょう。そして、最大の特徴はリスク回避のマインドです。 日本流ビジネス文化では、リスクを避けることが好まれるため、安全性や堅実性が重視される意思決定が行われます。そのため、計画的なアプローチが好まるのです。

一方、ダイバーシティ文化における意思決定プロセスは、個々の意見やアイデアが尊重される点が挙げられます。 各メンバーが自身の意見やアイデアを自由に表現し、チーム全体で議論することが推奨されます。これにより、多様な視点が取り入れられ、イノベーションが生まれやすいのだと思います。次に日本流とは対照的に意思決定のスピードは大きな違いであると感じます。 ダイバーシティ文化では、効率性やスピードが重視されるため、意思決定は迅速に行われます。そのため、プロジェクトの進行がスムーズになり、市場トレンドへの適応力を高めているように感じます。そして、最後にリスクに対する寛容度の違いが大きいでしょうね。 ダイバーシティ文化では、リスクを受け入れて新たなチャレンジを試みることが評価されます。そのため、失敗を恐れず、大胆な意思決定が行われるのです。。

自分なりのワークショップに対するアプローチ

失われた30年と言われる現代の日本では、日本流ビジネススタイルのデメリットが強調され、オワコンなどといった自己肯定感が低下するような言説が目立つのが現状です。でも、現状を理解し、受容することから始めるプロセスが重要なのではないかとも思うんです。ワークショップの設計も同様に、文化は簡単には変えられませんが、日本流ビジネス文化のとダイバーシティ文化の両者の強みを活用し、効果的な組織運営やプロジェクト実施に取り組むことが最優先事項だと思っています。

例えばスタート時には、日本流ビジネス文化をベースに緻密な計画を提示し、アイデア開発ではチームを細分化して自由な発言を促すプロセスや1対1のインタビュー形式を導入することで、個人発信のイノベーションを引き出す努力が求められます。このような仕組みづくりには、企業文化の理解やステークホルダーの視点での論理立て、プランニングを行う忍耐力が必要です。

ワークショップにおける文化融合にうちの会社が成功することで、ダイバーシティ文化の中で働くうちのメンバーも日本流ビジネス文化の強みを尊重し、相互理解を深めながら新たな価値を創出できる力を身につけることができるのでないかと思っています。

私自身も新たな社会構造に向けたビジネススタイルを模索し、日々ブラッシュアップに労力を費やしています。そこには苦悩はつきものですが、顧客視点を大切にし、文化的背景を超えた効果的なワークショップのプランニングを通じて、日本ビジネス文化が良い方向に向かうよう貢献したいと考えています。少し大袈裟ではありますが、このような取り組みが、次世代の日本ビジネスの発展に繋がることを期待しています!

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