目に映る「世界」は全てを映し出されたものなのか?
私たちは他人の認識不足はすぐ責める。あいつ自分のことをわかってないよなぁみたいな。しかし自分自身に自己認識が足りていないかもしれないと自問する機会はあるだろうか?
自己認識が不足していると周りの人々に迷惑をかける可能性が高くなる。また自己のコンフォートゾーンの外に足を踏み出すことも難しくなる。安心しきった楽園の中で昨日と変わらない行動をすると、自己成長の飛躍は望めない。
本書は自分はまだまだ成長できるという野心の満ちた人(ユニコーン)は、自己認識をすることで新たに得た上インサイトをもとにした行動で大きく飛躍したと説いている。
自己認識には内的自己認識と外的自己認識がある。マインドフルネス(ビジネス的な意味での)に代表されるように内的自己認識は非常に人気がある。しかし内的自己認識のみで今の自分を正しく知ることができるとは限らない。そこで重要になってくるのが外的自己認識である。自我を鎮めて、他人からのフィードバックにどれだけオープンになれるかが鍵になる。
私もそうだが他人からのフィードバックほど怖いものはない。何を言われるか想像がつかないからだ。想像がつかないっていうのは、逆に言うと自分のことがわかってないとも言える。
注意したいのは、フィードバックを与える人間は誰でもいいというわけではない。批判が大好きなおじさんは最悪だ。私の成長を心から願っている人がベストだ。愛のある批判ができる方が望ましい。
フィードバックを受けたら、それを受け止めて、向き合って、そして行動する。行動しないとフィードバックされた意味がないし、もったいない。
行動こそがインサイトを有効にする最良な術なのだ。
本書は例えるなら高度3メートル、あるいは半径10メートルの外から自分を見つめることにフォーカスを当てている。ビジネス的なマインドフルネスに近いのかもしれない。
本書のインサイトは宗教の禅やマインドフルネスとは意味が異なる。日常生活においてどう快適にこの世界を楽しく生きていくのかということに非常に役に立つと思う。いわば戦略の本なのだ。
自分のために適切なフィードバックを得ることが目的になる。そのためにはフィードバックをする相手の心理的や安全を担保することが必要になるだろうし、ときには自分の弱さを見せる必要もある。
視座をどこに置くかで、目標は変わる。「じゃあ次はどうする?」を問い続けることが1番大事である。1つ肝に銘じなければいけないのは、インサイトは役に立てなければ無駄であると言うことだ。
本書には、自己認識には終わりがないと説いている。満足してしまうと、良くて現状維持。ほとんどの場合は自己の成長曲線は後退するであろう。
今自分が見えているものは他の人にも同じように見えているのだろうか?
他の人が見えているものは私にはどう見えているのだろうか?
脳が感じてることと体が感じている事が一致しているだろうか?
この「世界」は本当に全てなのか?
自分が認知できていなかった世界を見るためにインサイトが武器になる。