「大地のうた」「大河のうた」「大樹のうた」

昨日は仕事の合間に映画を見たような、映画を見る間に仕事をしたような。半年前に購入したブルーレイの「大地のうた」「大河のうた」「大樹のうた」三部作をやっと鑑賞。

1974年に岩波ホールでオープニング上映され、その10周年記念で全部見たことがあるのですが、死が遠い先のことだったからか、あまり印象にない。

1992年に亡くなったサタジット・レイ監督をたたえる上映のために修復作業が計画され、オリジナル・ネガが持ち込まれたイギリスの現像所で1993年に火災発生。残存したネガやプリントなどから最新技術で復活。

オプー少年が成長していく過程で家族が次々と病死し、学生時代を描く二作目の最後でひとりぼっちになってしまう。貧しい農村生活だった少年時代、同居している親戚のお婆さんは、とてもリアルで、北林谷栄も太刀打ちできないほど。素人俳優なのだろうか?自然の中でひっそり息をひきとる彼女が一番心に迫りました。

白黒でしか描けない池が出てくるからか、溝口健二の「山椒大夫」を思い出し、姉は香川京子のようだし、庭の木の下にゴザを敷いて息子の帰りを待ちわびる母は、佐渡島で安寿と厨子王の安否を気づかいながら歳を重ねる田中絹代のようです。

2016年10月12日

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