ガルボの「クリスチナ女王」 (1933)

ガルボ扮する17世紀のスウェーデンの女王クリスチナがスペインからの特使と恋に落ちて、女王の座を降りる話。実際のクリスチナも女王の座を降りるのですが、学問や芸術のために外遊するのが目的で、それを愛の話に作り替えたようです。

1932年にMGMとの契約が切れ、新たに契約するときに、クリスチナを題材にした映画を作ることと、ジョン・ギルバートを共演させることを条件にしたそうです。ジョン・ギルバートは甲高い声のためにトーキーになって人気が急落したので有名ですが、この映画を見るかぎり、さほど耳ざわりではないし、2枚目半ぐらいの好感のもてる人物です。ただ、女王の一時的な恋の相手ならピッタリだっただろうに、女王の座を降りるほどの相手ではないので、終わりのほうがウソくさく、ガルボの熱演が空回りしているように思えました。この前見た「マタ・ハリ」もそうでした。ガルボが愛するにふさわしい男優求む。ルーベン・マムーリアン監督。

2013年4月18日

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