「おかしな夫婦」(1970)

ジャック・レモンとサンディ・デニスの「おかしな夫婦」(1970)。

栄転のために田舎からニューヨークに出向き、散々な目にあうだけの話。濃霧のためにボストンの空港に降ろされ、ぎりぎりセーフで混雑する最終列車に乗り込み、やっと予約したホテルに着いたと思ったら日付が変わったために別の客が入っており、強盗犯や誘拐犯に襲われたあと、セントラルパークでぐったり。

レモンが同情すべき人物なら、苦境に陥った親子の「自転車泥棒」のように深刻な話になるのに、いちいち係員にくってかかり、「あとで訴訟を起こすから、名前を教えろ!」をくり返すので、笑うしかない。

サンディはレモンにくっついていくだけの、おとなしくて、のんびりした奥さんで、そこが可愛い。

ニール・サイモンが舞台用ではなく、初めて映画用に書いた脚本を、このあと「ある愛の詩」を作るアーサー・ヒラーが監督。クインシー・ジョーンズ音楽。

2018年11月10日

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