1978年4月第4週に見た映画

6月21日発売のクライテリオンのイクリプス・シリーズ第27弾は「ラファエロ・マタラッソの駆落ちメロドラマ」という題名で、イタリアのマタラッソ監督の1949年から1955年までの4作品を収録しています。マタラッソ監督なんて初めて聞いた名前なので興味津々。1956年のエルザ・マルティネリ主演の「水田地帯」が日本公開されているようですが、キネ旬の「世界映画人名事典・監督(外国)編」(1975)には載っていません。唯一名前を見つけたのは、ピーター・ボンダネッラの「イタリア映画:ネオリアリズムから現在まで」で、次のように書いてあるだけです。「ラファエロ・マタラッソ(1909-1960)による「鎖」(1949)、「苦悩」(1950)、「孤児」(1951)といった大衆作品は、通常批評家たちから軽蔑されたが、イタリアでは大ヒット作品で、3年連続で各々興行成績の1位、2位、3位となった。しかし、マタラッソの大衆作品のほとんどは輸出されることがなかった。」4作品ともアメデオ・ナザーリとイボンヌ・サンソン主演で、アメデオ・ナザーリは、ジャン・ギャバン、アラン・ドロン、リノ・バンチュラの「シシリアン」(1969)でギャバンの友人のマフィアの親分を演じた人ですね。

ピーター・ボンダネッラの「イタリア映画:ネオリアリズムから現在まで」: "Italian Cinema: from Neorealism to the Present" (Third Edition, 2001) by Peter Bondanella


4月24日(月) 未青年 (テレビ) 3点
4月29日(土) 愛と喝采の日々 (新宿ロマン) 4点
4月30日(日) 愛よもう一度 (大塚名画座) 2点

「未青年」は、ピエール・グラニエ・ドフェール監督、ジャック・ペラン主演の1967年のフランス映画。全然記憶なし。双葉さんの採点は三つ星(まア水準程度)。IMDbのユーザー投票では、投票数5票未満で点数つかず。「家族日誌」や「鞄を持った女」の甘いマスクのお坊っちゃんジャック・ペランは「Z」あたりからプロデューサーとしても活躍。グラニエ・ドフェール監督は、シモーヌ・シニョレとドロン共演の「帰らざる夜明け」やジャン・ルイ・トランティニャンとロミー・シュナイダー共演の「離愁」という渋い大人のドラマが70年代前半にあったけど、その後はよく知りません。

「愛と喝采の日々」は、シャーリー・マクレーンとアン・バンクロフト共演、ハーバート・ロス監督の1977年の二十世紀フォックス映画。主演女優二人を含めアカデミー賞で数多くノミネートされるが一つも獲得できず。キネ旬の1978年6位、読者選出なし。大柄なマクレーンによるダイナミックな踊りが見れると思いきや、彼女は主婦業のためにバレーを引退した女性で、踊れるとは思えないバンクロフトのほうが結婚をあきらめたバレリーナを演じていました。踊るシーンを見せないとか、代役を立てて遠くから撮影するとかといった工夫があったような気がします。ミハエル・バシリニコフとレスリー・ブラウンの若いカップルのほうがよく踊っていました。撮影ロバート・サーティース。私が一人で見にいくような作品ではないので、新入生を含めた映研の連中と見たのでしょう。

わりとクロード・ルルーシュは好きなのに、「愛よもう一度」の2点という低得点は何故?カトリーヌ・ドヌーブとアヌーク・エイメが夏のバカンスの夕暮れ時に屋外でゆっくりと会話を交わしている映像がうっすらと頭に残っています。

2011年4月26日

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