グレタ・ガルボの「女の秘密」 (1928)

MGMのサイレント映画。ガルボ主演作の中ではあまり知られていないかもしれませんが、スパイスリラー風味のロマンスもので、けっこう面白い。

第一次大戦中、オーストリアの陸軍大尉カールが美女タニア(ガルボ)と恋に落ちるが、彼女はロシアのスパイだった。カールにののしられた彼女はカールの密書を盗んでロシアに帰ったため、カールは反逆罪で投獄される。有力者の伯父から汚名を晴らすチャンスをもらったカールは音楽家を装ってロシアに潜入し、タニアと再会する。

ガルボが悲惨な結末を迎える「明眸罪あり」と「肉体と悪魔」のあとで、これを見ると、後年のヒッチコックのスパイスリラーならこうなるだろうなあという結末がうれしい。カールを演じるコンラッド・ネイジェルが品のある二枚目で、役柄にも似合っていたし、グレタ・ガルボとも似合っていました。"The Mysterious Lady" という原題で、監督はフィリップ・ニブロ


米アマゾンで古本を購入。この年にしてガルボの魅力を発見。老いらくの恋はつらい。その他大勢の男どもと同じく破滅へと導かれるのか。数多いガルボに関する本の中でこれを選んだのは、リチャード・ラウド編集の "Cinema: A Critical Dictionary" のガルボの項で推薦されていたから。この映画作家事典そのものが1980年発行なので、この本も古本しかなかったのです。

2013年4月14日

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