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映画の主人公は身近に
映画が好きで、1ヶ月に20本は言い過ぎだけど、それくらい見る。
そこに出てくる主人公は、どれも特別な人生を歩いてるようで、特に青春ものなんかは羨ましくなることもあるけれど。
忙しくなったり、暇な時間が少なくなったりすれば、自分に周りで起きたことを思い出す機会が片手で数える程度になる。
明日起きること、
明後日起きることの心配ばかりをして、
たまにはるか未来の楽しみを妄想して。
弱い私たちが100年を生きるために、人間の記憶力は曖昧に設定されているらしい。
辛かったことや大変だったことなんかの悪魔をずっと頭で育てていたら生きていけないから。
すぐ旅立つように設計されている。それと同時に感動したこととか楽しかったこととかゆう天使も、早めに旅立つことがあるらしい。
バイト中、お客さんの目を盗んでつまみ食いして盛り上がったことは?空港に一人取り残されたけど奇跡的な出会いをして楽しい旅になったことは?音楽であいつらをうならせたことは?親友と涙が出るまで笑い合ったことは?憧れの人に振り向いてもらいたくてハメを外したことは?思い出すと意外と自分の人生も映画級ではなかろうか。
何本もの映画になりそう。
明日、明後日の心配をした後は、写真や日記や動画やお土産物や音楽や匂いで、
映画級のこれまでの出来事を思い出して、
お腹いっぱいになって、
眠りたい。
とてつもなく大きなパワーがみなぎってくる。
それぞれの濃い人生、捨てたもんじゃない。
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