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病気ばっかり

ダーリンは病気ばっかりしています。


がんセンターで何度ドクターから説明を聞いたことか。
手術が終わると、ドクターから説明を聞くのですが、手術が成功するのは当たり前だと思っているので、ニコニコしているとドクターから不審がられます。でも絶対に失敗しないと信じて疑っていませんから、成功したことを聞くのに心配そうな顔をするのも嘘っぽいし、何も泣くほどのことでもないので、そうなると私の場合は笑顔になってしまうのです。

来年でダーリンは80歳。


そろそろ手術も難しいお年頃になってきているのではないかと思います。
今度は手術ではなく、抗がん剤治療にしましょうと言われたらしい。
私は毎々病院に付いていくよと言っているのですが、いいよ来なくてと断られています。
どうして付いていくのを嫌がるのかしら。
だいたい、他のお年寄りはみなさんどなたか付き添って通院しているのに、いつもいつも一人で病院に行くなんて、孤独老人じゃないのに、とぐちぐちダーリンに言ってみましたが、いいよ、来なくて、と同じ返事ばかり。
きっとドクターから言われることに一喜一憂しているところを見られたくないのかもしれません。
私がしゃしゃり出てドクターに返事をしてしまうだろうと考えているのかもしれません。
老人男性の気持ちは理解できません。

検査結果、良くなったり、悪くなったり。

検査結果が良かったら超ご機嫌で帰ってきます。
検査結果が良くなかったらどよーんとグレーのオーラを背負っているかのような自分だけが世の中の不幸をすべて背負っているかのような顔で帰ってきます。
Lineしてくるスピードも違います。
結果が良いときはすぐにLineしてきますが、悪いときはなかなかLineは来ません。これから帰る、と素っ気ないLineが待たされて待たされてやっと来るんです。
今は、ダーリンが通院の日は在宅勤務にしています。
誰もいないより誰か待っていた方が良いだろうと、帰ってきてすぐに話をしたいだろうと、そう考えたからです。
今朝は6時過ぎに家を出て、15時過ぎた今もまだLineがありません。

何があろうと受け止める大きな心を持つ。

私とダーリンは23歳離れています。
普通に考えればダーリンが先に逝ってしまうのは仕方がないことです。
覚悟は出来ています。
そりゃ、一緒になった20年前に、周りの人たちから老後の面倒を見るために一緒になるの?と言われ腹が立ったものですが、今となっては老後の面倒をみるつもりです。
この10年、病気ばかりでした。
私は、手術すれば治ると信じて疑いませんでした。
でも、手術が出来ないんです。
流れに身を任せよう。

私に出来ること。

身体全体を受け止めることが出来るくらい大きなクッションになろうと思います。
ダーリンは最近怒りっぽくなってきました。
忘れっぽくなってきました。
泣き虫になってきました。
仕方がないことです。
みんなみんなそうやって死に向かっていくのです。
ダーリンが出来る限り笑顔でいられるように、私が笑顔でいようと思います。

病気ばっかりだけど。

楽しいことも沢山あったよね、これからも楽しいを増やしていこうね。
病気ばっかりだけど、それは仕方がないことだと受け止めようね、と
私はダーリンの太陽になろうと思います。


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