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【時事VIEW】ソフトバンクの色んな動きあれこれ

NewsPicksでプロピッカーをやっているTAKAです。ここではこれまでコメントした内容の中から、ソフトバンクグループに関連するものをまとめたものです。

2020年12月23日
楽しみですね。ゴール設定が高い(GAFAに対抗する)からこそ、オリジンが異なる両社が聖域なくいいところを出し合って、磨き込める。かつ、敵が大きいからこそ、スタートアップのように一点集中で尖った戦略をこの規模と顧客基盤で実装できる。

ビジネスは「人」が大事ですが、両社ともに経営リソースが十分だったわけではないでしょう。少なくとも二倍の経営リソースを獲得できたのですから、それを活用しない手はない。

あと、勝ち筋としてローカルであることを徹底的に活用することも考えているのでしょう。だからこそ、政府との距離感はこの統合においてものすごく大事。

米国では何周か先に行っていて公正取引委員会主導でGAFA解体論が囁かれている。その意味でも政府との距離感は非常に大事。

何年かして、この統合が「ずるい」「独禁法違反だ」という議論が出るぐらい圧倒的な成果がでれば、日本も大きな殻を破るきっかけになるでしょう。

2020年12月10日
ソフトバンクが投資業に舵を切った以上、短期的な評価益等ばかりみていてはダメですね。WeWorkの時もシニフィ談で話しましたが、長期的にみなければいけないことと、こういうデジタル化の流れで勝ち組企業がより勝っていくはず、という投資戦略自体が崩れなければ、まだ全体の評価をするには早いでしょう。

一時的に評価益がでるポートフォリオもまだ眠っているでしょうが、他の爆弾が爆発しないか気になりますね。

一旦現金化を急いでいますので、次のダウントレンドまでに財務体力をしっかり確保して、そこでまた仕掛けていくのは間違いないでしょう。

2020年12月9日
以前も類似のMBO観測記事でもコメントしましたが、孫さんは市場と対話しています。株価は一方的に機関投資家の売買によって上下することに対して、明確な牽制機能を打ち出すことで、対等な立場で対話しています。

これは投資家としての孫さんと、アクティビストと長年対話してきた経営者のしての孫さん、二人の孫さんにより経験を積まれた対話手法。

何もうがった見方をする必要はなく、割高なアセットを売り割安なアセットを買い増すだけ。

ただ、短期的な売買に終始しすぎると、長期的なアップサイドのある株を手放すことになりかねません。そう考えると、孫さんにとって間違いないと思える企業はアリババだけなのかもしれません。だから、上場株投資も積極化し間違いないGAFAM、特にアップルやAmazonの売買が出来るようにしているのでしょう。

2020年11月18日
孫さんは投資家と対話ができていますね。裏で個別の投資家(所謂モノいう投資家も含めて)とも相当なやりとりもされているはずです。企業価値に関する対話ができている経営者が日本でどれぐらいいるでしょうか。

今回は、株価が上がり現金保有残高が圧倒的に増えたタイミングでの発言です。自社株買いが株価の下支えになればよいし、仮に株価が下がれば自社株買いをしてMBOへの備えにもなる。

「魅力的な企業があれば上場企業含めて出資するし、自社株価が下がればソフトバンク株の方が魅力的なので自社株買いをする」

これはバフェットの対話手法と重なりますが、当然影響を受けているのだと思います。

2020年11月10日
AIという名の「コンピューティング革命」を制するものが世界を制する

ざっくりしたバズワードを貼り付けた上場株投資と言えればそれまでですが、明らかな巨大産業を注力していくという点は(本当にそうだとすると)クリアな方針の一つでしょうか。

①モビリティ(物流)
②不動産(売買)
③医療ヘルスケア(予測予防)
④新素材開発

Eコマース、金融(フィンテック)あたりは自動的にGAFA投資で取り込まれるから、彼らもまだ覇権をとれていない領域に特化して、群戦略としての意義を高めていくということなのでしょう。

2020年11月9日
AI/NVIDIAが今の孫さんホットワードですね。

そこでSBがどういう役割やリターンを出せるかはこれからお手並み拝見ということだと思いますが、以下の戦略上の観点は間違いなく実行していくでしょう。

お金は多ければ多い方が良い、一方で未上場ユニコーンのリスクは大きく、単にAI革命に投資していくだけなら、既に上場しているGAFAやNVIDIAなどにも積極的に投資していくべきだし、その方がリターンもポートフォリオのリスクバランスも良い。さらにはより大きなお金を集める理由になる、ということ。


孫さん:「だからビジョン・ファンドで続々と増やすし、(投資先が)非上場株だけではアリババの成長が大きくなって比率が一向に改善しないので、上場株も含めて全体のバランスをより適正にしていく。ただアリババ株を売って多様化するのではなく、アリババ株はアセット・ファイナンスの担保として適切に扱っていく」

2020年11月9日
市場がもどってくると、投資余力がある方が有利です。Weworkでの損失は痛いですが、設立以降、圧倒的に世界的に知られるようになりました。ファンドにとって大事なソーシング力と投資余力はポジティブな話。

上場株投資を始めた件、投資先の10社。各業界で勝ち組、もしくはリーダーへなるポテンシャルを秘めた先に優先的に投資している。コロナ後のトレンドにのった企業ばかり。選定基準は一定理解できます。

他にも投資先があるのかもしれませんが、この時点では、GAFAMからこの二社を選定していること(他の三社は外していること)、中国IT大手が含まれてないことがむしろ注目でしょうか。

(上場株投資銘柄)
Amazon, Zoom, NVIDIA, Square, Abobe, Docusign, Sea, Tesla, Netflix, Google

2020年11月3日
PEファンド等の歴史をみてみると、これまで大きな投資で失敗したり、内部で不協和音が起きはじめると、少しずつ人材の流出が起きています。幹部クラスの流出はその原因の大きなの裏返しであり、まだ公表されていない問題も内在していると考えると、人材流出は続くと見るのが妥当に思います。

足元、確定損失と未実現利益のバランスが極めて悪いのでしょうが、組織とビジョン、その上でブランドを立て直し、スタートアップのエコシステムの活性化に寄与するようなお金と人的資本の活用方法を期待しています。

2020年11月2日
経営レベルに攻めだけではなく「守りの人材」強化も進めるのはソフトバンクの状況を踏まえれば必須ですし、手を打っていること自体は評価されるのでしょう。

ただ、実効性やガバナンス全体の中で評価すべきものですので、この発表だけをみて判断するのは難しいと思います。

2020年10月20日
一見すると物凄い大きな金額(2兆円)に見えるが、2つの観点でこの規模感の意味を冷静に見定める必要がある。

1)上場株の投資ファンドという観点では、ブラックロック800兆円、バークシャー50兆円など規模の観点で最大ではない。一方、分散投資を行うファンドであれば数千円のファンドはごろごろ存在し、それよりも大きい

2)ビジョンファンドは10兆円であり、相対的には未上場株式投資で実施した規模感に比較すると小さい

両方の市場に投資をするメリットは分散投資という意味でも、業界動向の知見を得る意味でも大きい。最終的にスケールさせるのが上場株投資にならざるを得ない気はするものの、まずはビジョンファンドのスケール対比で意味のあるサイズからスタートするという意図であろう。

今後、上場株投資としてどのようなストラテジーを取るのか注目したい。ストラテジーによってはこの規模がより意味のあるものになってくるだろう。

郡戦略のための1ツールとみなすのであれば、単純なベンチマーク対比の分散投資ではなく、集中投資の戦略を取ることになろう。上場してしまったポテンシャルの高い企業に対して、資本の論理をつかってグループ化するための財務戦略の一環として考えると自然に思える。

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