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日本農業新聞コラム② 化学反応が刺激生む

松江市の本気を感じて直感的に行動した結果、晴れて同市の地域おこし協力隊に採用となりました。
夫の就職先と双子の入園先も無事決まり、2016年4月から新生活をスタートさせました。

松江市の協力隊には当時、他地域ではあまり見られない二つの特徴がありました。
一つ目は「フリーミッション」です。
特産品の製造・販売や観光地の情報発信のような指定された活動ではなく「松江の地域資源を掘り起こしビジネスを創出する」という目的を軸に、自ら見つけたことを事業化していくということ。

二つ目は「チーム採用」です。
1期生はわたしの他に同期が8人いて、皆とても個性的でした。
男女、既婚・未婚・U・Iターンの比率も全て約半々。
年令は20~50代と幅広く、歩んできたキャリアも持っているスキルもばらばらです。

そんな9人が毎朝同じ事務所に出勤し、朝礼の後、それぞれ自分たちが見つけたプロジェクトに応じて地域に出ていく。
それまで13年間、会社員として働いてきたわたしにとって、とても新鮮で刺激的な働き方でした。

一方で、チームのメンバーは皆、すごい能力を持つ人たちばかりに見えて「自分は何ができるだろうか?」と、劣等感のようなものを感じることもありました。

しかしプロジェクトを進めるに当たって、誰かの苦手を誰かの得意で補い合ったり、別の視点からアドバイスをくれたりして、多様な価値観の中で化学反応が生まれ、新しいものが生まれていく面白さがありました。
地域住民と接するときもチームの存在はとても心強く、孤立せずに地域に溶け込むことができたことを覚えています。
チームのメンバーはわたしにとって尊敬してやまない、今でも大切な同志です。

そんな中、協力隊2年目の時にわたしにとって転機となる出来事が起こります。
その結果、プロフィール写真のようなユニフォームを身に着けることになるのですが、それはまた次回。

―――日本農業新聞2021年11月11日(木)掲載
※許可をいただいてます

コラム2



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