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FeMEETSのことを初めて公の場で話してみた

先日、こちらのピッチイベントに登壇し、初めてたくさんの方の前でFeMEETSについてお話しする機会をただきました。

この経験を通して私なりに「わかったこと」「変わったこと」をまとめてみたいと思います。

1.そもそも「スタートアップ」って何?

3年前にアクセラレーションプログラムに参加して、初めて「スタートアップ」という言葉が私の耳に入りました。
ぶっちゃけ、カタカナ言葉だらけで最初は全く意味が理解できませんでした。
(今回のピッチイベントに参加くださったわたしの友人も同じことを言っていた)
なので、自分の頭の整理も兼ねて用語の説明。

・スタートアップ…新しいビジネスモデルをもとに、短期間で急成長をすることを目標とした企業や団体のこと

・アクセラレーションプログラム…短期間で事業を成長(スケール)させるためのプログラム

・ピッチ…短時間で不特定多数の相手(投資家など)に、わかりやすい言葉で何らかの提案をすること

・プロダクト…一般的には企業などが顧客に販売する製品・商品のことを指すことが多く、これにはソフトウェアやデータなど、それ自体には物理的実体のない無体物も含まれる

「短期間」「短時間」がポイント。
とにかくスピード命。

ビジネスに精通する人にとっては「知ってて当たり前」だろうし、ここ数年でぐっと浸透したとは思うけど、少なくとも3年前のわたしは多少聞いたことはあっても自分の口から発したことのない言葉たち。
ピッチをするときに「専門用語を使わない」というルールがあります。
この場合、ピッチを聴く相手はVC(また後で説明します)・投資家なので、当たり前にスタートアップ的専門用語は通じます。
ですが、3年前のわたしのように
「スタートアップ?なにそれ?」
の状態の人にとって、三つカタカナが続くと、もうついていけなくなるわけです。
そして、一見そういった世界と無縁な場所にいる人が、実は素晴らしい原体験とビジネスの種を持っていることも。
今回、スタートアップ?なにそれ?と言いながらも
「面白そうだから行く!」
「わたしが行っていいか分からないけど行ってみたい」

と言ってくれた友人の存在は大きく、そういう人たちも入ってきやすいよう、間口を広くとっておくことが必要と感じます。

2.それでもわたしが「スタートアップ」に惹かれる理由

このプログラムで、カタカナ言葉を克服してでも学びたい・知りたいと思った理由は
自分の「原体験」から「幸せにしたい対象」をとことん突き詰めるというところ。
「初めからプロダクトを作らない」と何度もしつこく言われていた理由が、最近になってようやくわかったような気がします。
FeMEETSが生まれたのも、3年かけてここをしつこく深掘りし、自分なりの大義名分を言語化できたからです。
わたしの原体験は、このnoteにも書いてきたように

・イノシシによる被害対策のための捕獲に立ち会い、生⇒死の瞬間を見た衝撃
・お腹の中から胎児が出てきたときの心境
・その後食卓での娘の言葉で気づいたこと

これらを深掘りした結果 
「有害鳥獣として埋められる猪を幸せにしたい」
という言葉に行き着きました。
(実は根本は初めからあまり変わってない)

半年前、こちらの投稿にて明文化しました。

これから先にわたしが経験したことによって、より最適な言葉が見つかれば、表現も変化していくと思います。

自分のことだけなく、スタートアップを目指す人たちの「原体験」を聞くことが、わたしはたまらなく好きなことに気付きました。
特に、地方ならではの課題解決は説得力があります。
島根の現在の課題は、日本の未来の課題。
例えば「地方創生」「SDGs」「サステナブル」
これらの言葉は便利だけど、その人がどんな経験をして、今後具体的にどんな風にしていきたいか?
ここをきちんと語れる人の言葉は聞いていて熱が伝わります。
その逆も然りで、浅くしか考えられてない人の言葉もわかるようになり、反面教師として自分も気を付けようと密かに内省もします。

これが「解像度を上げる」ということか…
これも最近になってようやく理解できてきました。
わたしはプログラム受講後、一度プロダクト構想を手放し、ひたすらこういう「原体験」「幸せにしたい対象」のあらゆるケースを聴き続けました。
これから生み出したい人だけでなく、成功しているプロダクトから遡ったり。
これがとにかく面白いし、実際起業家のコアな想いを知ってから好きになった商品や会社もあります。
会社の、社会の見え方が変わりました。

全てのスタートアップが原体験ベースではないと思うけど、わたしにはこの考え方がとても合っていました。

3.VCと呼ばれる立場の方と直接お会いして感じたこと


スタートアップに欠かせない存在、VC。
カタカナだけでなく、アルファベットも出てきました…

・VC(ベンチャーキャピタル)…未上場企業(スタートアップ・ベンチャーなど、高い成長率が見込まれる企業)に対して、主に出資(資金提供の対価として、ここでは主に対象企業の株式を取得)の形で投資を行う組織のこと

わたしも勉強途中で詳しくお伝えできないので、こちらをご参照ください

わたしの中では想像上の存在でした(解像度が粗い状態)笑
これからの日本にとって更に重要な存在であるだろうけど、身近にいないのでイメージがわかない。
今回のピッチイベントの審査員はVC・CVCの立場の方々。
わたしの中でのVCさんの解像度を上げるチャンス!
正直「資金調達のためにアドバイスをいただく」ということ以前に、
「なぜ今その立場におられるのか?」
「普段どんな仕事や生活をしてるのか?」
純粋にここに興味があり、交流会で個人的な質問をたくさんしてしまいました(すみません)

その中で、ある方の言葉が印象的でした。
「ベンチャーキャピタリストは編集者みたいな立場」
まず、才能ある作家を見つける。
作家先生が書きたいことだけ書いても売れなければ持続できない。
かといって「売れるもの」に寄せていくとみんな平べったく同じような作品になる。
作家(起業家)の表現したい世界を世に出すために、出版社(投資家)との調整を行うのだと。

・・・なるほど、納得。

だからこそ、読者(ユーザー)からの人気や将来性を数字で表し、説得力を持たせることが大切なんですね。
起業家に伴走してお尻を叩きつつ、時には機関投資家を口説いてみたり。
調整役ならではの大変さと面白さが伝わり、VCという立場の奥深さが垣間見えました。

今回お会いした方々は、ご指摘は鋭く厳しくても、皆さん内なる愛と情熱に溢れていました(主観ですが)
正直お会いするまでは怖い存在でしたが、わたしの目指す世界をできるだけ理解しようとしてくださり、そのために何ができるかを一緒に考えてアドバイスをくださいました。
「自分を信じてがんばってください!」
いただいたこのメッセージに、背中を押してもらいました。

4.わたしはこれからどうするか?

資金調達し、事業を急成長で拡大させ、出口戦略(上場か売却か)を行うのがスタートアップ。

FeMEETSは現段階でこの展開が、マッチしないことがわかりました。
(VCさんからも直接言われました)
・今何が足りてないのか?
・そのためにはどんな方法があるのか?

もう一度洗い出してみたいと思います。

5.自分自身についての気付き

地方で毎日泥臭い現場にいて、
そもそも起業することさえ頭になかったわたしにとって、
スタートアップの世界
は無縁だと思っていました。
でも、学んでみると「壮大な大人の探究活動」の一環なんだなぁと。
今、高校生の探究学習に伴走する機会をいただくことが増えたけど、この体験の延長線上に世の中を動かすビジネスの種があるかも!?
そしてそれは必ずしも全員が「0⇒1を生む人」である必要はなく、
誰もが経験しているであろう「心を揺さぶった出来事」から「なぜだろう?」と掘り下げ、
「自分に何ができるか?」を考えるプロセスが大切だと感じます。
それには、子どもも大人も関係ない。

以上、本来のFeMEETSの内容からは脱線しましたが、わたしにとってとても大切な体験だったので記録しておきます。
わたしが今回行ったピッチは、投資対象になるような内容ではありませんでしたが、今のわたしの全てを出し切ったつもりです。
7分間という貴重な時間を割いて、わたしの話を聴いてくださった皆様に感謝です。

登壇したからこそ見えた景色がありました。

最後に

FeMEETSにとってのユーザーさんは、猪を幸せにする世界を一緒に作ってくださる方々だと思っています。
今回ユーザーさん20名と出逢い、皆さんの顔が浮かび(お会いしたことない方も含め)、ヒアリングをして解像度が上がったことで今回のピッチが完成しました。
ありがとうございます。

そして、山陰でこのような場を作ってくださった運営の皆さん、
特に面白い世界への入り口を教えてくださった商工会議所のYさん、
ありがとうございました。

また、いつも素敵なデザインを作ってくれる敏腕デザイナーと、一緒に猪の可能性を模索してくれる栄養士・管理栄養士の仲間達、

そして、わたしの核となる部分を共に築いてくれつつ、私の探究心を見守ってくれる相方(髭)

いつもありがとう。

わたしの残り人生かけての探究活動、まだまだ続けていきます。



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