生きる#37 わたしがやりたいのはジビエ消費拡大ではない
わたしは2018年に相方と会社を立ち上げ、いろいろ試行錯誤してきました。
会社を登記し、いろんなところに書類を出す時、業種を問われて悩んだことも多々。
その時既に自社製品を販売していてので、便宜上『小売・卸業』としましたが、ジャーキーやフランクフルトの販売が会社のミッションではない。
鳥獣被害対策の相談対応や研修講師などは、創業して2年半過ぎた頃からお仕事としていただくようになりました。
が、ここも私たちで完結させるのではなく、各地域で知識を持つリーダーを育てることが真の目的。
独占的にやるつもりはありません。
そこから1年後に、ジビエ料理店をスタート。
ぶっちゃけ、週に3日だけの営業なのに飲食店にかかる工数は大きいです。
全くの素人だったということもあり、ここは常に試行錯誤。
助けてくれる、支えてくれる人達がいるから何とかやって来れています。
会社としても、わたし自身としても、安分亭があるからこそ出逢えた人達・見える世界が拡がり、収益以上の価値を感じています。
そして、わたしの個人プロジェクトとしてスタートさせた FeMEETS(フェミーツ)
このプロダクトをつくる上で最も気を付けたのが、商品を先に作らないこと。
つまり、プロダクトアウトではなく、マーケットインの考え方です。
今目の前の解決したい課題と
わたしが叶えたい世界。
そこをとことん考えてたどり着いたのは
『イノシシを幸せにする』プロダクト。
わたしにとって、共感して購入くださるお客様はイノシシを幸せにしてくれる、大切な仲間という認識です。
会社としてやっていることは小売、飲食、講師業、D2Cビジネス…バラバラです。
そして、一貫して国としても推進しているジビエ消費拡大の動きに沿っているように見えます。
わたしはこの『ジビエ消費拡大』という言葉にずっと違和感を感じてきました。
(今はあまり使われてないかもですが)
「レトルトにして食べてもらったら?」
「給食に使ってもらったら?」
何度となく言われてきた「○○してもらったら?」という言葉にモヤモヤしつつも、違和感の理由がはっきりしませんでした。
そこまでして食べてもらわなくていいし、皆が食べないといけないものでもない。
一過性のブームやグルメとして消費されるのでなく、その価値を分かって食べて欲しいと思うのは、押しつけだろうか…
今、これまでやってきたことを少しだけ高いところから見ることができるようになり、バラバラのように見えるいろんな事業を少しずつ繋げていくフェーズにきています。
私たち弐百円の心の奥にある信念は、本当はずっとブレずにあります。
でも、これまで2人の中だけで止めてきたことを、きちんと伝える時期に来たのだと感じています。
特に次の世代へ。
今年度は小学生〜中学生、高校生と接する機会が多く、しかも「課題研究のテーマとして学びたい」と自ら探して声をかけてくれるようになりました。
ジビエ消費拡大は目的でなく、手段。
わたしが見たい景色を実現させるためには、もっとたくさんの人にそのことを知っていただく必要があり、
その結果、今よりたくさんの人にイノシシを美味しく食べてもらえることは理想です。
わたしが見たい景色。
食材の背景に想像力を持てる食卓。
当たり前のように食べているお米や野菜のその背景にあるもの。
わたしが心動かされたこと。
食べることで自分のからだを大事に思うこと。
わたしが見たい景色の解像度を更に上げ、言語化していきたいと思っています。
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