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彼は「戦メリ」をどうやって作曲したのか?(その11)
その10 からの続きです。
主旋律の4小節です。
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これにドレミを書き込んでいくと…
![](https://assets.st-note.com/img/1694921140785-CdHX6UiNKg.png?width=800)
これに違うドレミ(青色)を書き込んでみると…
![](https://assets.st-note.com/img/1694921249306-JgYOHqwegK.png?width=800)
龍一教授の作る旋律は、こういう風に二種類のドレミで解釈できるものがとても多いです。
どうしてこういう二重戦略を彼は好むのかというと、和音との絡みを、面白くできるからです。
以下は、赤のドレミ準拠で和音にドレミを付けていったもの。
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四小節目のここ(緑で括った部分)は、赤準拠ですと「ラ・ド・ミ」の和音に…
![](https://assets.st-note.com/img/1694922488733-WA8mOcr12u.png?width=800)
続く部分は「ミ・ソ・シ」の和音となるわけですが…
![](https://assets.st-note.com/img/1694922580747-8WBVBNBOQ0.png?width=800)
しかし青のドレミ準拠でいくと…
![](https://assets.st-note.com/img/1694921680398-6LVog4hrBR.png?width=800)
以下の部分は「レ・ファ・ラ」和音に…
![](https://assets.st-note.com/img/1694922905897-unsRuOjCIr.png?width=800)
ここは「ラ・ド・ミ」和音であると解釈されます。
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面白いとは思いませんか。赤準拠ですと「ラ・ド・ミ」→「ミ・ソ・シ」の進行になるし、青準拠ですと「レ・ファ・ラ」→「ラ・ド・ミ」進行と解せるのです。
どちらの進行も、マイナー和音が五度進行して違うマイナー和音に進む形をしています。赤の調準拠でも、青の調準拠でも、同じ形式が保たれています。相対性理論でいうところの共変性! アインシュタインもびっくりです。
どうしてこんな離れ業ができているのかというと、この四小節目の下段の音を、それぞれたった二つに減らしたおかげです。減らしたことで、青解釈でも赤解釈でも成り立つような和音が成り立っています。その9のラストで私が「どえらい仕掛けが発動」と称えたのは、まさにこれのことであります。
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ああそれから、ひとつの旋律に二種類のドレミという、くだんの技について、次回さらにじっくり分析します。こうご期待。
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