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数学の、毛色の変わった指南書を書き下ろしてみたい

十代のとき、地元のある史跡公園のはずれに図書館があって、そこで目に飛び込んだのがこのシリーズでした。

大学生向けの数学本です。統計確率を除けば、いわゆる理系学部で習う数学はこれでカヴァーできそうです。受験数学とは違う数学を私が意識したのはこのシリーズをあの図書館の棚に見かけて手に取ったときでした。ちなみに十冊すべて読み切ったのはもっと後になってからです。出会った当時の私とは今一つ相性がよくありませんでした。「一冊で30章だから一日一章ずつ読み進めば一か月で各巻マスターできるやん」と、おそらくどなたも一度は嵌る思い違いに私も嵌って、第二章からすでに息切れするという、よくあるパターンを味わったのでした。

このシリーズを今の私がもし一から全面改稿するとしたら、どうやるんだろう…おととし頃からそんなことをぼんやり考えています。たとえばフーリエ級数からヒルベルト空間論まで一気に解説することはできないか、等。二種類の波があって、そのヴァリエーションを組み合わせればどんな反復波形でも描けるという話、どこかで目にしたことがあると思います。シンセサイザー・キーボードがいろいろな音色を奏でられるのは、この数学定理を使っているからである等。

これの証明は数式をごりごり押しまくらないといけないのが前から好きになれませんでした。もっとスマートにできると思う。要は二進法表記による凸凹の無限列の組み合わせで、どんな数でも表現できるって話と同義なのだから、それを活かせばいいのに…と思うわけです。

この絵もイメージをかきたててくれますね。

二進法には私の幼い頃の思い出が重なります。父がこの方面に当時どっぷり嵌っていました。ううん工学系ではないのですが、数学センスがあったことからこの方面の研究と学習をいいわたされて本人は嬉々とそういうのに嵌っていました。幼い私にもときどきこの方面の話をしてくれました。電子演算の基本だぞって。

考えてみればこの分野の大巨人フォン・ノイマンは電子計算機の基本概念を提唱した方で、量子力学の数学化を成し遂げた方でもあります。つまりルーツは同じなんですよね。


どこまで私は探っていけるのだろう。

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