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エレン先生、数学を語る

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受験数学に毒されてしまった秀才さんのために、エレン先生が易しくモノホン数学を叩きこむよ
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2024年5月の記事一覧

ヒルベルト空間といえば量子力学の数学的基礎づけのために開発されたアレ。これが形になるまでの道のりが、物理学の書物できちんと語られることはまずないようです。あれは数学史の範疇だから。ひとりで追うしかないのか。

KK
3週間前
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「囲碁がもはや囲碁に見えない」と往年の名人

私の家はかつて朝日と日経と地元紙の三つを購読していました。今は日経ひとつです。そこそこ目…

KK
3週間前

今日、大学図書館で借りてきた二点(学外者は二点まで)のうち一つは、アメリカでの「ニューマス」運動が算数教育をどう駄目にしてしまったのかを数学者クラインが嘆いた『ジョニーはなぜたし算ができないか』(昭和51年)。訳があちこち変で読みにくい。後書から察するに邦訳者は同運動信奉者か。

KK
3週間前
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複素数平面をガウスが発案したのでしたか。二次元平面と見た目は同じ。これのおかげで実数と複素数の相互乗り入れのめどが立って、そのための特別切符としてエルミート性が、ひいては「線型性」が浮上した…という史観は大胆すぎる?

KK
3週間前
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論文と論文の影響関係を図表化する

数学史は面白いです。これまでいろいろ手を出してきました。掘り出し物的なものがほかにも地元…

KK
4週間前
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スヌーピー・ファミリーとアメリカ算数史

数学史の書物はいっぱいあるなかで 昨日(厳密には今日の午前深夜、つまり就眠前)この本を…

KK
4週間前
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e^ix は量子力学の光速 c

「量子力学」の名づけはちょうど百年前、マックス・ボルンのある論文においてでした。 この論文じたいは百年を経た今、ほぼ忘れられています。前期量子論➱量子力学の勃興という史観でいうならば➱の頃のものです。過渡期的です。ある地点に届かずに終わったものゆえに、20世紀物理学の書物ではめったに言及されないでいます。 私は前から気晴らしとも頭の体操ともつかないまま、百年前のいろいろな科学論文を追っています。いきなり原論文を読み込むのは無論無謀無茶です。日本語による優れた量子力学史の書

数学科で挫折を味わい中の、元秀才の貴兄に

『数字であそぼ』というまんががあるそうです。そうですとしたのは私は未読で、たまにウェブで…

KK
1か月前
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数学王ガウスの裏をかこう

YouTube にはいろいろな数学系動画があります。 昨日、こんなのを拝見しました。「正規分布」…

KK
1か月前
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e^i はいつ、どうやって量子論に混入しだしたのか?

「量子力学」の名称は、今からちょうど百年前に提唱されました。 前に紹介したとおりです。ド…

KK
1か月前
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さんすうは数学ではなく児童心理学寄りに成らざるを得ない

掛け算の順序問題については前から興味がありました。 「なにそれ?」と思った方はウィキペデ…

KK
1か月前
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量子力学に伴う「こんな親戚の人いたっけ?」感覚について

線型性とか双対性とか、数学には「〇〇性」が頻繁に出てきます。 厄介なことに、物理学を学ん…

KK
1か月前
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量子力学はどうしてこう初学者に冷たいのか

愚痴まじりの前振りから これまで何度か吐露したことですが、私はある段階よりずっと、数学…

KK
1か月前
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ブラケット記法で数学の内積を記したらいかんの?と大学生らしき方が呟いていたので「それ共役複素数に特化した内積やよ」と返信。どうやらディラックがこれを発明した経緯を知らないらしい。考えてみれば量子力学の教科書は冒頭から「はい覚えましょう」が目立つね。私が何か解説を書き下ろすべき?