【詩】イヤホン外し、愛逢月へいざ参らん
耳をすませば聞こえる流行の音楽、ビジネスマンによる電話越しの会話、建物の間を走る風の音、賑やかな雑音がまるでオーケストラみたいに奏でる小さな世界のBGM。交差点にて交差する人と人。まるで絡まったイヤホンみたい。絡まったイヤホンを解けば今度はDNAの二重螺旋が整列している。それを解けば染色体が顔を出す。25コ目の染色体にはどんな願いを詰め込もうか。来月に織姫様と彦星様に向けて発車する独善的欲望列車に僕も乗っかろう。天の川を我が物顔して渡ろう。電車賃は要らないよ。1枚の紙切れを。そこに恥ずかしげもなく欲望を曝け出せばあら不思議、片道切符に。
1年に1度しか会えない2人に送るのは欲望じゃなくて「2人だけの世界でごゆっくり」とかが良いんじゃない?そんなことを好きな人と花咲く夜空を横目に語りたいです。どうか好きな人ができますように。と、短冊に書こうと考える6月14日。
こんなことを入力しながら夜道を歩く6月14日。
照らす街灯。地面から止まれの呼びかけ。止まることなく後ろから聞こえるヒールの音。コンクリートに反響する虫の音。
雨の日だけじゃなくてさ、たまにはそのイヤホンを外して歩こうよ。
信号の点滅する音が聴こえるかもよ。
あとは、そうだな。心臓の声とか。
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