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#15 “よい教育スパイラル”が回り続ける組織づくりはいかに可能か

みなさん、こんにちは!
本日は“よい教育スパイラル”が回り続ける組織づくりはいかに可能かについて、考案をしていきます。

“よい教育”の定義は分かった。そこから紐解かれる、生徒の“よい学び”の姿も分かった。先生としての“よい在り方の北極星”も分かった。

ではその“よい教育”はどのようにつくられていくとよいのだろうか?また、その“よい教育”がよりよく改善され続けていく組織はどのようにつくることができるのだろうか?

これらの問いにこたえるために、“よい教育スパイラル”という概念を提唱し、その実質化の方法にまで迫ります。

このnoteでは、“よい教育実践”がつくられ続ける仕組みが整った組織を、「“よい教育スパイラル”が回り続ける組織」だと定義し、そのような組織づくりのための北極星を提示していきます。

「“よい教育”の定義」や、「自由の相互承認を北極星としたDOとBEの探究が、なぜ“よい学び”といえるのか」などについてはこのnoteでは触れませんので、前提となる事柄の導出過程については過去のメンバーシップ記事をご覧ください。

無花果という枠をこえ、あらゆる教育機関にて応用可能な内容を整理しておとどけしますので、ぜひ楽しく読み進めていただけますと幸いです!


(1)なぜ“よい教育スパイラル”について考えるのか

①「“よい教育”の定義」を提示するだけでは、現場が困ることもある

“よい教育”の定義をもとに、条件解明的に教育を思考・実践する。

この連続が、最も抽象度の高い「先生に求められる在り方」です。

究極これができていたら、理論上そこには“よい教育”は生まれ続けます。
しかし現場レベルで考えていくと、この抽象度の北極星を示されているだけでは「“よい教育”がつくられ続けられるのは難しいな」と感じる瞬間は多いです。

というのも、当然のことながら“よい教育”を実践するにあたって、現場における時間や人員などのリソースは限られているからです。

しかしそんな制約にお構いなく、現場では「本当に難しい問い」が毎日のように生まれます。
ここでは具体的な例までは挙げませんが、「すべての子ども / 思い浮かべている1人の子が、〈自由の相互承認〉の感度を育むことを土台に〈自由〉に生きるための力を育むため」に、このケースでは先生としてどう行動をしたらいいんだろう?と考え始めると、無限に時間が溶けていく…という日々が続くのが教育現場です。

生徒の探究をより深めていくために永遠と時間を使っちゃうという場合もあれば、生徒/ご家族の話を聴くという時間自体が何よりも大切で、いつの間にか本来は帰宅できる時間が来てる(残業だ…)という場合もあります。

これらのことを踏まえると、具体的な実践理論を教育現場に落とし込む際には、

「“よい教育”の定義をもとに、条件解明的に教育を思考・実践する」ための時間を、現場の先生は十分に確保できる環境にあるのか?そのためのリソースは整っているのか?

という問いに向き合うことが大切だと言えます。(とても当たり前なのですが、教育現場では意外と抜け落ちちゃう視点だなと感じています。)

教育機関における“よい教育”の実質化のためには、「“よい教育”の定義」を組織の北極星として掲げるだけでは足りないと、学園長(法人代表)として感じる瞬間があった。

この所与こそが、“よい教育スパイラル”について考えるようになった契機です。

(2)「“よい教育”スパイラル」が生まれる組織づくりの北極星

step0) 仮説思考が、“よい教育スパイラル”の始発点。

では、学園長である私は“よい教育”の定義を超えて「何」を現場の先生方に北極星として提示することができると、「“よい教育実践”がつくられ続ける仕組みが整った組織をつくる」という観点でよいと言えるのだろうか。

この問いを持って現象を捉えた時に気がついたのが、「教育現場における仮説思考」の大切さです。

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■なにをするコミュニティか なかとうひろとが、学校をつくりながら、“よい教育”とは何か?を哲学の底に…

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