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表紙イラスト『incu・be vol.45』-メイキング

若手研究者のための研究キャリア発見マガジン
『incu・be vol.45』(2019年夏号)
刊:リバネス出版
発行日:2019/06/01
デザイン: KIYO DESIGN

前号に引き続き、表紙イラストを担当させていただきました。



1:イメージのすり合わせ(約1日)

今回のオーダーはこんなかんじ↓

仮タイトル:
 「想いを実現する『共創』とは?」
研究に関心のある読者が生き方を考えるとき。
自分が本当にしたいことをしていくために自分の想いを見つめ直して、これからの研究キャリアを作り出す一歩を踏み出してもらいたい、と考えて組む特集です。
自分の想いがあってこそ共創していけると考え。それは裏を返せば、自分が本当に熱あることを実現するには仲間あってこそだということになります。周囲の共感を呼び、自分の思い描く世界の実現へと進まれている方々に取材します。

「研究者として進んでいく中、仲間とともに目標を実現していくイメージ」になると思うので、主人公と仲間数人を描きたいですね。
主人公が大きくて、仲間は小さくていいと思います。
「共感」と「協力」を背景イメージで想像させる感じ!
また、姉妹紙が「海特集」で青系の表紙なので、背景はそれ以外の色相で。


2:ラフスケッチ(約5日)

いただいたイメージ図が気に入ったので
今回は「中央にタイトルを入れる」前提で作ってみました。

・メインカラーは朱、差し色にサックスブルー
・今回はメインの人物をわかりやすく女性に
・周囲の仲間たちの手は性別や人種がいろいろ
・メインの人物を中央下に、
 協力する仲間たちの腕を見せてみんなで輪になっている
 (それぞれの力が循環している?)イメージ
・メイン人物を大きめに配置すると手の先が切れるので、
 大きい方が採用されたらそこは調整します。
・長髪はしっかりまとめておかないと実験時とか危険なのかな…
 とも思いましたが今回は見栄え重視で髪を広げてみました。
 まずかったら修正します。

今までは「中性的な人物」を意識して描いていましたが
そろそろバランス的に「あきらかな女性」を描きたいな?とも。
手だけですが、複数人描くし…

3:フィードバック(約3日)

今回の特集記事が
理系以外との「共創」らしいので、若干方向修正。
(この時点で決まっている特集記事は、Web系のシステムの仕事、街づくり)

・主人公の白衣 → 普通の服へ
・右の実験用手袋+フラスコの人を変更
  普通の服装で、アイテムは本などの情報系がいいかなとのこと
・主人公は大きめに配置したほうで

・背景色はクライアントのイメージ図のような淡い青系に
 「姉妹誌とかぶらないよう青を避けて」ではなく、「かぶらないようこれくらいの青にして」というオーダーだったらしい。

背景色については、クライアントさんとデザイナーさんでやりとりする時にちょっとニュアンスが違って伝わってしまったらしいですね。
ラフの赤系のところ・青系のところをそっくり入れ替えれば成立したので、今回はさほど問題ありませんでした。

4:修正(約4日)

今回はゴールデンウィーク進行で時間に追われていたので、この時点で本番と同じようにブラッシュアップしながら修正していました。

・カラーリングの赤と青を入れ替え
・主人公の白衣 → スーツに
・主人公を大きめに配置しつつ、画面にちゃんと収まるようにポーズ調整
・フラスコを持つ手 → 本を持つ手に 位置も調整

特集記事のひとつに「街づくり」があるそうなので、路線図っぽい記号などを散りばめてみたりもしています。建物を描くほどのスペースはないので…

5:フィードバック2(約3週間)

ゴールデンウィークで間が空きました。私がもう少し早く提出できていれば…と思いつつ。これもまた勉強ですね。

主人公のサイズは少し小さくなってもいいので、
最初のラフのように手を広げてください。
「共に作り上げる」イメージなので、最初のように「周りと繋がっている」イメージが良いとのことです。

色などは大丈夫です。

具体的に「ここをこう直して!」という指示が出ていないところをいじるとたまにこういうことになりますね。粛々と修正します。

6:完成

過去の3作と比べると、またちょっと新鮮な雰囲気にできたんじゃないかと思います。

これで約1年間を1クールとしたincu・beさんとのお仕事もひと段落。
noteでは読みやすさ重視で省略していますが、デザイン担当のKIYO DESIGNさんは毎回とても褒めてくださるし、いろいろと気遣っていただきました。
また、自主的にはなかなか描かないタイプのものをたくさん描けて楽しかったです。
ありがとうございました!



サポートしていただいた売り上げはイラストレーターとしての活動資金や、ちょっとおいしいごはんを食べたり映画を見たり、何かしら創作活動の糧とさせていただきます。いつも本当にありがとうございます!!