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「シャンドルールのクレープ」

2月2日はシャンドルール(聖燭祭)でした 。
フランスではこの日にクレープを食べる風習があるそうです。

フランス国旗のトリコロールカラーを意識して左の子を青、右の子を赤にしてみました

シャンドルールについて調べていると、
持ち手の長いフライパンを使って暖炉でクレープを焼く絵が見当たりました。その光景にときめいた…
最初は背景に暖炉も描こうかと思ったけどシルエットが綺麗に見えなくなるので省略。興味がある人はぐぐってみてくださいな。

左手でコインを握りながら右手でフライパンのクレープを綺麗にひっくり返せると幸運になれるのだとか?
この風習については日本語のページでもフランス語のページでも出典によってブレがあったので、古い風習だから地域差があるのかな。

この時期、四旬節の断食前にたくさん食おうぜ!というイベントが各地にあり、ヴェネツィアやリオのカーニバル(謝肉祭)ももとはそういうものだったのだとか。
2023年のパンケーキデーは2月21日。

東スラブ諸国のマースレニツァもいつか描いてみたい。

聖燭祭はキリストが聖母マリアと夫ヨセフによって神殿に連れて来られた際の出来事を記念して祝う日。
とはいえ「蝋燭を灯す」「クレープ(ロシアではブリヌイ)を焼く」というのはキリスト教発祥ではなく、布教のために教皇ゲラシウス1世が異教の風習を取り入れたものらしいんですが。キリスト教、そんなん多い。


シャンドルール(La Chandeleur)はフランス語読みで、
英語だとキャンドルマス(Candlemas)、ラテン語/スペイン語だとカンデラリア(Candelaria)。
シャンドラーとも呼ばれているようです。宗教用語は国によって変わるのでややこしい。キャンドルはフランス語でシャンドルになるんですね。

メキシコでは1月6日に「ロスカ・デ・レジェス」を食べて、その中の小さな人形を当てた人は2月2日のカンデラリアに「タマーレス」をふるまう。
これはフランス流だと「ガレット・デ・ロワ」にあたるんですね。
ガレット・デ・ロワはフランス語で「王様のケーキ(お菓子)」という意味。
キリスト教が世界に広まれば、それにまつわる行事食も国を渡ります。
この「King Cake」は世界各国にあるのです。

アメリカ・ニューオリンズ州のキングケーキはすっごい色してて笑う。
これもいずれ描きたい。
私は「リオのカーニバル」はキリスト教の謝肉祭とは関係ない「お祭り」だと思っていたのですが(日本だとカーニバルという言葉を単に「お祭り」として使ったりしますよね)、あれはちゃんとキリスト教由来のイベントなのだそうです。もう宗教色はかなり薄れているようですが。

ちなみにイギリスには「エピファニータルト」があります。

三賢者を幼子イエスのもとへ導いた星を象ったジャムタルト。 イエス+12使徒を表す13種類のジャムを使って作るそうです。


ところで
2月2日は「聖母マリアの清めの日」ともいわれ、
春の訪れを告げる清らかな花としてスノードロップを祭壇に捧げるのだとか。
この日にスノードロップの花を集めて持ち帰ると家が浄化されるといわれているそうです。

女の子たちの服にスノードロップ柄を取り入れようかとしばらく検討してみたけれど、主題がブレるな…と没にしました。
こういうことしてるから当日に描き上がらないのだ。



しかしこういう行事食、現代では宗教色はあまりなく「何か食べる日」として定着してるっぽいのは外国も同じらしい。
美味しいは強いんだな。



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