「べファーナの甘い石炭」
あけましておめでとうございます。
三ヶ日も過ぎてお正月ムードも落ち着いた頃かと思いますが、描きたかったクリスマスっぽい絵を。
イタリアでは1/6の公現祭(エピファニー)の前夜、
1/5にホウキで空を飛ぶお婆さん・ベファーナがやってきます。
良い子にはプレゼントを、悪い子には石炭を、靴下へ入れに。
ベファーナとは?
サンタさんのためにクッキーとミルクを用意しておくように、
ベファーナのためにワインと、地元の食べ物をのせた皿を用意しておく風習があるのだとか。
私がベファーナを知ったのは『グレーテルのかまど』。
魔女というモチーフが好きなのでテンションが上がりました。
が、実際には「魔女」ではなく、季節の再生を見越して家(および魂)の浄化を表す古代のシンボルである空飛ぶホウキで表現された、愛情深い老婦人。冬の擬人化、土着の年神様的な存在なんですかね。
(日本でもホウキは「払い清める」縁起物ですしね)
現代ではとんがり帽子に黒いマントの典型的な魔女と混同されることも多く、店頭に並ぶ商品や人形もそんなかんじっぽいのですが。
徐々にカトリックに統合され、イタリアの子供達のクリスマス(新年)にお馴染みの存在となったようです。
キリスト教化された伝承には何パターンかあり…
イタリアのサンタは「バッボ・ナターレ(Babbo natale)」。バッボは父、ナターレはクリスマス。
イタリアではべファーナのほうが存在感があるらしい?
カルボーネ・ドルチェ
↑で知ったけど日本にも「塊炭飴」というのがあるそうな。
ヨーロッパ諸国では大晦日や年明けに老婦人の人形を燃やす伝統があります。老婦人は「過ぎ去った古い年」を表し、それを燃やすことで新しい年を迎えるのだとか。
日本にもある発想ですね。人が燃やされている…と思うと怖いですが…
ベファーナと似たような存在で
アリエおばさん(タンテ・アリエまたはタンテ・エアリー)というフランスの女性版サンタクロース的な妖精もいます。
ファーザークリスマスならぬマザークリスマス。
近年では女性サンタクロースも珍しくはないと思いますが
(「公認サンタ」にも女性はたくさんいらっしゃるようだし)
若く美しい女性だけでなく、こうした魅力的なお婆さんや中年の女性のシンボルがいるのはなんだか嬉しいなぁと思います。
そして明日1/6はエピファニーでガレット・デ・ロワの日!
イギリスにも「エピファニータルト」があります。
三賢者を幼子イエスのもとへ導いた星を象ったジャムタルト。
イエス+12使徒を表す13種類のジャムを使って作るそうです。
これは現代のケーキ屋さんで売っているようなものではないようだけど。
カラフルで楽しい。
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