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「パンケーキの火曜日」

フライパンでパンケーキをひっくり返しながら走る「パンケーキ・レース」。
かわいい。

イギリスには「パンケーキ・デー」と呼ばれる日があります。

それは「告解火曜日(シュローブ・チューズデー)」。
キリスト教の「四旬節(レント)」の初日である「灰の水曜日」…の前日。
四旬節とは、復活祭(イースター)の前の断食期間
断食期間は贅沢な飲食を控えるので、断食が始まる前にご馳走パーティして禁じられている食べ物を食い尽くそうぜ!という日らしい。
パンケーキは卵や乳製品を使用するので贅沢品扱いだったのですね。


オルニー村のパンケーキレース

1445年の告解火曜日、イギリスのオルニー村でとある主婦がパンケーキを焼いていたところ、教会の鐘が鳴った。
懺悔の時間に遅れそうになった彼女は、三角巾&エプロン姿でフライパンとパンケーキを持ったまま教会へ駆け込んだ。
これをきっかけに「パンケーキ・レース」が祝祭的伝統として今日まで伝わり、イギリス中に広まっているそうです。
…しかし500年以上前のことなので正確な成り立ちはよくわからないよう。
薔薇戦争の厄介な頃に始まり、何世紀も続く中で慣習が失われた時期もあったらしく。第二次世界大戦後の1948年に復活し、1950年からはアメリカとの国際レースも行われているそう。

ちびっこ達のテンションの高さが微笑ましい。
大人部門とこども部門に分かれているんですね。
オルニー村では伝統的にオルニー村在住の女性専用のレースで、三角巾&エプロン着用が必須。
しかし他の地域では老若男女問わず楽しまれているイベントのようです。学校や幼稚園でもよくやるっぽいですね。
男性が参加するなら女装しなければいけないものや、仮装行列みたいなのや、スーツの上からエプロンをつけたおじさん議員が爆走するチャリティレースとかいろいろあるみたい。
大人のレースはガチすぎて怪我人が出てそうで心配になるけど。

👆介護施設でこんなことしてたり。いいなこれ。


教会の少年合唱団(聖歌隊?)が行うパンケーキレースは衣装も相まってとってもかわいらしい!イラストに描くとき、エプロンにするか聖歌隊の服にするかとても迷いました…
赤、青、緑、白、ピンクに近い鮮やかな紫などいろんな色があります。
この色にも意味や由来があるのかな。

👆の動画はとても激しい。笑
途中でボールを転がしていたり、いくらか複雑な競技になってるのかな?
ゴールするまでにフライパンを何回ひっくり返さなければいけないとか、開催地によってもさまざまらしい。

👆そりゃ落とすよね。難しいよね。笑

小さい子が楽しめる季節の行事を眺めるのが大好きなんですが、小学校?幼稚園?に相当する施設では年長さんが年少さんをリードしつつ行うこともあるみたいで大変微笑ましい。
私も小さい頃は学童保育に行っていたので、上級生に面倒を見てもらった記憶があります。
コロナ禍で中止になってたけど今年は解禁、というところも多そうですね。
Twitterで #Pancakerace を眺めていると幸せになれる。


英国風パンケーキ

クレープのような薄い生地に砂糖とレモンで味付けをしたシンプルなものが英国風だそうで。

こちら👆は最近お気に入りのチャンネル。ヴィクトリア朝のレシピや生活様式を見せてくれます。日本語字幕もあるしよい眺め。

来年のパンケーキデーは2月21日

毎年違う日の開催になるのでちょっとややこしい。
2022年のイースターは4月17日か4月24日。
西方教会(カトリックなど)と東方教会(正教会など)の教派によって異なります。西方教会は日本でも使われている太陽暦「グレゴリオ暦」、東方教会は「ユリウス暦」。
で、「春分の日以降、最初の満月から一番目にくる日曜日」とするので、重なる年もあればズレる年もあるんですね。
しかし「灰の水曜日」は西方教会の典礼暦年のうちの一日であり東方教会では行われないので、その前日にあたる告解火曜日=パンケーキデーも1年に1回。



ちなみに、森永製菓が制定した「ホットケーキの日」は1月25日だそうです。食べたい。

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