カカオ豆からチョコレートを作った話-道草屋のカカオキャラバン
2019年1月に体験したイベントレポを今更ながら。1年て早いですね!
『道草屋のカカオキャラバン』
(この絵はイベントのチラシではなく、こんなイラストを描くお仕事もしてみたいなぁと思いながら勝手に描いたものです。公式のチラシがかわいかったのでオマージュ)
今はもうなくなってしまった大阪のスタンダードブックストアさんにて…
冬季限定、道草屋のカカオキャラバン。カカオ豆を炒って、皮をむくところから始まるチョコレート作りです。最後には炒りたてカカオのホットチョコレートでほっこりしましょう。
主催の道草屋さんはメキシコに5年ほど住んでいた経験があり、チョコレート作りもその時に学んだとのこと。
チョコレート発祥の地は現在のメキシコ…紀元前のマヤ・アステカ文明であるとも云われていますね。
カカオ豆
これがカカオビーンズ。豆と呼ばれてはいますが、種です。
カカオの木になるカカオポッド(果実)の中のカカオパルプ(果肉)の中の種子がカカオビーンズ。
今回使うのはベトナム産。メキシコ産やガーナ産より酸味が強いそうです。
果肉はどんな味なんでしょう?一度は食べてみたい…
ちなみにカカオが木になる様子はこんなかんじ↓(新宿御苑にて)
カカオ豆を炒る
炒ったカカオ豆の皮を剥く
力を入れて擦ればけっこう簡単に剥けます。
でも力を入れすぎるとボロッと崩れる。
崩れたところを味見させてもらうと、
うん、全然甘くない!苦い!
あれ、でもやっぱり後でチョコレートの風味がふわっと香るな。ふしぎ〜
というかんじ。明治のコーヒービートから甘さを引いたような…?
参加者からは「味は炒り豆」「大豆」との声が。
磨り潰す
ローストし、皮を剥いて砕いた状態のカカオ豆をカカオニブといいます。
こんな器具↑を使いました。本来はトルティーヤ作りでトウモロコシを磨り潰すためのもの。第一印象は「でっかいコーヒーミル」。
原理は石臼と同じですね。机に設置して、ゴリゴリ回します。
すべての豆を磨り潰したらひと段落。
ここで味見をした参加者曰く「炒り豆」「後味が少しだけチョコレート」
さらに磨り潰してペースト状にする
二回目でペーストっぽくなり、香ばしいチョコレートの薫りが出てきます。
ハンドルを回す係、ガタつく机を抑える係、こびりつくのをフォークでこそぎとる係…と複数人体制でがんばります。
これがいわゆるカカオマス!(液体にしたらカカオリカー)
油分が出てだいぶチョコっぽくなりましたね。カカオ豆の60%は油分でできているそうです。
このカカオマスから油分だけ抽出するとカカオバター、
乾燥させて粉にするとカカオパウダーになります。
参加者曰く「八丁味噌?」「苦い、やっぱ炒り豆…」
温めながらカカオバターと粉糖を加える
「家で作るなら湯煎する」とのこと。直火はすぐ焦げるので。
これ↑がカカオバター=甘くないホワイトチョコレート。
(カカオバター+ミルクや砂糖=ホワイトチョコレート
カカオマス+カカオバター+ミルクや砂糖=ミルクチョコレート(一般的な茶色いチョコ))
固形のものを細かく刻みます。これを加えると油分でよりなめらかに。
そして甘みを増すために粉糖を投入。
粉糖を入れたらまた粉っぽくなるので、さらにカカオバターを足します。
市販のチョコレートには乳製品や安定剤が入っていますが、このワークショップでの添加物は粉糖のみ!
ということは牛乳アレルギーでも食べることができるんですね。
「どれだけ甘くしたいか」は人それぞれなので、甘さ控えめのほうがいいという方は早めに自分用のチョコを掬い上げます。
冷めたらより甘みが増すので「ちょっと物足りない」くらいでやめておくのがおすすめだそうです。
(私は「どうせなら甘いのが欲しいかな」と欲張って甘くしすぎてしまいました。粉糖が多いと食感もジャリジャリしてしまう?ので、ビターを目指すくらいがちょうどいいと思います)
(しかし味見しすぎるとよくわかんなくなる)
クッキングシートの上で整形する
シートを傾けたりスプーンを使ったりして形を整えます。
板チョコみたいに筋を入れると、あとで割りやすい。
トッピングする
・ナッツ類(アーモンド、くるみ、カシューナッツ等々)
・パンプキンシード
・ビーポーレン(みつばち花粉)
・グラノーラ、コーンフレーク
・ドライフルーツ(クランベリー、レーズン、バナナチップス等々)
・果物のコンポート(この日は金柑がありました。美味しかった)
・クッキー、ビスケット
・柿の種
・野菜チップス
・桜の花の塩漬け
道草屋さんがご用意されたものと、参加者さん持ち寄りのものでにぎやかでした。別の開催地ではカレースパイスやエディブルフラワーもあったそう。
オレンジピールでオランジェットを作ってもいいですね。
そして出来上がった私のチョコがこちら↓
冷やし固めたら完成!
冬なので、屋外に出すとわりとすぐ固まります。
「だからこのワークショップは冬にしかやらない」とのこと。
持ち帰る際に割らないよう注意。
余ったぶんでホットチョコレート
お湯を注いで、「これが本来のホットココアなんだ〜」と噛み締めながら飲みます。素朴でおいしい。ミニクッキーを添えて。
ちなみに、カカオ豆の外皮にお湯を注ぐと健康に良いカカオティーができるそうです。見た目は漢方みたい。
純粋に「味」にこだわるならやっぱりお店で買う方が確実だとは思いますが、作業工程がとっても楽しかったです。
参加者さんもこういうのが好きな方ばかりで和気藹々としていたので、ひとりでも全然平気。というかほとんどがおひとりさまでの参加でした。
2020年も大阪・和歌山・香川・愛媛・淡路島などで開催されるそうです。
ご興味のある方はぜひ〜
2020年のカカオキャラバン(1〜2月)
しかし後日、思ったより早くブルーミング(白く粉をふいたような状態になること)がおこりました。
保存料も入っていないし出来立てをすぐに食べた方が良いです。
だれかへのプレゼントにする予定の方は注意!
スタンダードブックストアさん、楽しいイベントをたくさんありがとうございました。新店舗はどんなかんじになるのかな。のんびりお待ちしてます。
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