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濱帯プロジェクト始めます!

思い返せば約5年。ようやくいくつかの点が繋がり、モヤモヤを解消できそうな気がしています。

新プロジェクト、その名も「濱帯(はまおび)プロジェクト」です!

「濱帯プロジェクト」は地場産業を盛り上げ、人と地域の繋がり、そして親子の絆を深めるプロジェクトです。

濱帯(はまおび)とは

「濱帯(はまおび)」とは、横浜で作る帯のこと。
具体的には、横浜の伝統産業であるハンカチやスカーフの製造技術を生かして作る1枚布を濱帯と名付けます。
第一弾として企画するのは長さ5Mの濱帯です。
これは男性が主におんぶや抱っこに使用することを目的に企画しており、約5Mの長さが必要になります。

着物の帯で「兵児帯(へこおび)」というものがありますが一般的には4メートル弱。抱っこやおんぶ用に作られたものは4.5M程度のものもありますが、男性が使うとなるとやや短い場合があるため、5Mの設定にしています。
5Mはさらし生地の1反の約半分。生地の取り都合も良かったりします。

ちなみに、兵児帯(へこおび)は、着物や浴衣に使う帯ですが、もともとは鹿児島地方の言葉で「青年男性」という意味を持つ「兵児」が由来となっているそうです。(参考リンク:兵児帯とは?着物レンタルの豆知識)

当社の運営する子育て応援ブランドpapakoso(パパコソ)のモットーは「パパの子育てから、家族に笑顔を。」
「パパ」を入り口に家族に笑顔が広がる商品やサービスを企画していますが、鹿児島地方の兵児にあたるのが、横浜でいうところの「浜っ子」ですよね。
地元横浜の男性が使う帯を「濱帯」と名付け、男性が子育てをすることが当たり前の社会になるよう、そして「濱帯」を通じて人と地域が繋がり、人と地域がより活性化することを目指して、この企画をスタートします。

古き良き日本の文化「おんぶ」を改めて見直す

後姿がほっこりする抱っこ

濱帯プロジェクトは、ズバリ「古き良き日本の文化を現代に取り入れ、地域を活性化することを目的とした新規プロジェクト」です。

日本では1枚布を使ったおんぶやだっこの文化があります。
特に背中の高い位置に親と同じ向きで背負う「おんぶ」は日本独特の方法で、他の地域には見られない方法のようです。

例えばアフリカのある部族では母親のお尻の上にのせる方法、アメリカでは赤ん坊を後ろ向きに背負う方法などはあると、国立国会図書館のデータベースにはあります。(参考リンク:レファレンス共同データベース)

上記リンクにありますが、日本では、すでに縄文中期の土器に子どもを背負ったものが見られるそうです。
おんぶは肌のぬくもりに触れることによって情緒的満足を得られ、親は赤ん坊を満足させつつ家事や仕事ができるメリットがありますが、19世紀末に欧米の先進国から能率を重視する育児法、例えばおんぶや抱っこをしない育児法が伝えられました。
(この育児法は様々な研究結果によりのちに見直されます)
長時間のおんぶは血行の心配や目が届かない不安もあり、また進化した抱っこひもの登場により、現在はおんぶではなく抱っこが一般的になっています。しかし、おんぶも高い位置ですることができれば子どもの様子もわかり、長時間でなければ血行の心配もありません。親と同じ目線でいろいろなものを見ることができるおんぶは、経験として優れている点もあります。

ちょっとした家事育児をするときにおんぶができれば、この間も親子の愛着を深めることができ、子どもは親の背中で多くのことを感じながら成長できるのではと思います。また親も子どもに対する愛情がもっともっと深まるはず。おんぶ=格好悪いというイメージもあるようですが、これも濱帯プロジェクトで解消すべき大きなテーマです。

地域活性化(地場産業):横浜の縫製・染技術

市内の染め工房で試し染めしたときの1枚

横浜のお土産で有名な物の一つに「シルクのスカーフ」があります。
知る人ぞ知る事実、横浜はかつてハンカチやスカーフの一大産地でした。
その経緯は、1859年に横浜港が開港したときに遡ります。

開港以来、日本では生糸の輸出が盛んとなり、生糸は輸出だけではなく、ハンカチやスカーフとして加工され国内でも流通するようになりました。最盛期の1976年(昭和51年)には、スカーフの国内生産量の90%、世界生産量の50%を、横浜スカーフが占めていたとのこと。
しかし、その後順風満帆とはいかず、関東大震災や横浜大空襲などの被害や、捺染後の水洗の問題などもあり、今では捺染会社はピーク時の10分の1程度に縮小しているそうです。

濱帯プロジェクトは、かつて一時代を築いたこの横浜の縫製と染技術を生かした物作りをすることで、少しでも伝統的な技術を継承するお手伝いができればと考えています。

地域活性化(人のつながり)

1枚布の抱っこを撮影したときの記念撮影

私たちの祖父母世代には、さらしや1本帯で抱っこやおんぶをしていた方多くいると聞きますが、現在は腰ベルト付でバックルなどで留める抱っこひもが主流で、1枚布の抱っこやおんぶのやり方を知っているパパやママは多くありません。
そこで、おじいちゃんおばあちゃん世代の方や、1枚布の抱っこやおんぶに詳しい方にやり方を教わる機会も設けることができればとも考えています。

普段は、腰ベルト付きの抱っこひもを大いに使って良いと思います。
ただ、1枚布の使い方も知っておけば、いざという時も役立ちますし、1度経験しているか全くやったことがないかは気持ちの上でも大きく違います。
なんならカーテンやシーツでも代用ができるようになるでしょう。

そして、人から人へやり方を伝え、人に教わることでコミュニケーションも生まれ、人と地域が繋がります。
人と地域が繋がれば、一人ではなく、一家族でもなく、地域で子育てをサポートできる環境ができ、様々なものを共有できるようになると思います。
濱帯プロジェクトは単に製品を作ることではなく、1枚布を通じて人と人、地域を繋げるプロジェクトでもあります。

SDGsとしての取組み

SDGsへの取組み

濱帯は男性の家事育児を推進し、性別にかかわらず世帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価するきっかけとなります。(めっちゃ硬い言い方)
また、濱帯が製品化するまでのほぼすべての工程は、神奈川県横浜市内のパートナーシップにより行い、働き甲斐と経済成長の同時実現を目指します。パッケージなどの作業は地域活動支援センターへ依頼し社会参加や自立促進の一環として、地域社会における共生を目指しています。

今回のプロジェクトでは横浜の伝統技術を活用して作る付加価値のある「濱帯」の企画と、1枚布の使い方の共有では、捺染や縫製を行わない生地としての「さらし」を使用する予定です。
さらしは綿100%で人にも環境にも優しい素材です。
抱っこやおんぶはもちろん、カットすれば手ぬぐいや布巾としても使えますし、応急処置として三角巾や包帯替わりにも使えるフェーズフリーアイテムでもあります。
また、濱帯を通じたコミュニティは地域社会の接点となります。

私たちは「濱帯プロジェクト」は持続可能な社会を実現するための取組の一つだとも考えています。

連携可能な方募集中

濱帯プロジェクトの概要はこんな感じです。
ばくっとはしていますが、少しでも共感いただける部分があって、何か連携できることがありましたら、是非お声がけください!!

現在はパパサークル内の分科会として1枚布を使ったおんぶや抱っこの体験会などできないか思案中、地域の子育て支援団体さんと連携して防災を絡めた何かができないか模索中、そして直近の現実的なプランでは、12月開催予定の子育てサロンのイベントではちょっと体験コーナーも設けてみようかと。あと1月下旬の子育て世帯向けのBtoCのイベントでは体験ワークショップを2日間開催する計画もあります。

進捗や開催詳細はまた後日。
さぼりぐせのあるnoteですが、また共有させていただきます。
では。

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