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「がんばれ」が苦手なわたし。「がんばれ」を使わないコミュニケーションとは?

夫と出会ってからもうすぐ15年。彼から「がんばれ」と言われたことは一度もない。一度も。

出産時、陣痛で苦しみまくるわたしに、彼が選んだ言葉は「がんばれ」ではなく「じょうず!」だった。

そう、わたしは褒められるのが好き。彼はそれをよく分かっている。命がけで戦っている妻に「がんばれ」と追い討ちをかけるようなことはしなかった。

「がんばれ」という言葉と生き方が溢れているこの世界で「がんばらなくていい」と常に言ってくれるのは、夫と母くらいだ。

「がんばれ」と言う言葉は便利だけれど、時には一線を越える危ないひと押しになることもある。

それを身を持って知っているわたしは、「がんばれ」と言う言葉があまり好きではない。

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「がんばれ!」で誤魔化さない。

「がんばれ!」という言葉は便利です。どんなシチュエーションであったとしても、たった4文字で"応援してるよ"と伝えることができます。

もちろん「がんばれ!」と応援されることで、気持ちが高まりチカラが湧いてくる人がいること、そして、いつも以上の能力を発揮できる瞬間があるのも事実です。

ただ、世の中「がんばれ」を簡単に使い過ぎてコミュニケーションがおざなりになっている気がするのです。

「あぁもうこんな時間。今忙しくて大変で…」
A『でももう少しで終わるよ!がんばって!』
B『そっか今大変なんだね。どんな感じ?』

「がんばれ」を使わないことで、その人のことをよく見てよく話を聞き、コミュニケーションを深めたい。わたしはそう思っています。

愛ある「がんばらなくていい」を。

上田ちまきさんがこんな記事を書かれていました。

「お母さん、ダメダメ!
育児は手を抜かないと!
続けることが大切なんだから!」

相手をよく見て、ふさわしい言葉を送る。がんばるだけが正しいことではない。世の中には「がんばらなくていいよ」と言うべき瞬間があり、そう言って欲しい人もいる。

それをひとりでも多くの人に知ってもらいたいなと思います。

「がんばれる」キャパシティの違い。

わたしが「がんばれ!」という言葉を放つことに慎重な理由。それは「その人のがんばれるキャパシティ」が分からないから。

相手が本当にその言葉を望んでいるか分からないとき、相手はその言葉を望んでいても、能力や心身のキャパシティを超えている可能性があるとき。その時は安易に「がんばれ」を使うべきではないと思っています。

特にSNSでのやり取りの場合は、要注意です。相手の表情やトーン、取り巻く環境などがしっかり見えないため、それらを正しく判断できるほどの情報が得られません。

だから「応援しています」に留めた方が良いことが多いです。「(あなたは)がんばれ」ではなく「(わたしは)応援しています」と、主語を「わたし」で語ることで「がんばれ」を回避します。

「頑張る」の由来

そもそも、頑張るってどんな意味なのでしょうか。東洋経済オンラインに面白い記事(2010/12/22)が載っていました。

頑張るということは、実は自己中心的になるということです。「頑張る」という言葉の語源は、「我を張る」です。自分を押し通す、それが頑張るということです。競争し、自分の利益を優先させることが頑張ることなのです。 私が子どもの頃は「あの人、頑張ってはるなぁ」というのは、軽蔑の意味を込めて言われたものです。「もっとおとなしく温和になればいいのに」という意味でした。それがいつの間にか「頑張る」が美辞になってしまいました。おかしいですね。  【引用:東洋経済オンライン「頑張る」ことの本当の意味

言葉に違和感を持った時、わたしは語源や由来を調べるようにしています。正しく言葉を使うこと。そうすることで、そこに「言霊」が宿り、相手に正しくこちらの想いや気持ちを伝えられる、と考えています。

あなたは、がんばれ!をどんな風に使いますか?

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