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【リファーとは?】妊産婦のメンタルヘルスから学ぶリファーの必要性。

あなたが誰かから子育ての相談を受けるとき、意識していることはありますか。自分が子育てのことを誰かに相談するとき、どんな風に対応して欲しいでしょうか。

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子育て相談において、子育ての知識や情報を正しく知っていること、傾聴のスキルを持っていることは対応の助けになるでしょう。ただ、その前にひとつ大切なことを覚えていただきたいです。

相談を受けられる自分の限界を知ること。そしてそれを超える相談はリファーするということ。

今回は、妊産婦のメンタルヘルスとリファーについてまとめています。

■リファーとは?リファーの必要性。

リファーとは、相談内容が自分の知識や能力、専門性を超えて対応できないと判断した時に、専門家や専門機関を紹介したり、支援を依頼することです。

では、なぜ、リファーが必要なのでしょうか。

皆さんは、妊産婦さんのどのくらいの方がメンタルヘルス不調に陥っているか、ご存知ですか。

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参照:【妊産婦のメンタルヘルスケアマニュアル(公益社団法人 日本産婦人科医会)

妊娠中のうつ病は約10%、産後は10〜15%前後にうつ病がみられるそうです。

厚生労働省のwebサイト「みんなのメンタルヘルス うつ病の患者数」によると、

日本では12カ月有病率(過去12カ月に経験した者の割合)が1~2%、生涯有病率(これまでにうつ病を経験した者の割合)が3~7%であり、

と書かれていますので、妊産婦の有病率が高いことがよく分かります。

ざっくり人数に換算すると、妊婦さんの10人におよそひとり、産後のお母さんには6〜10人におよそひとり、という計算になりますね。

この数字について、あなたはどう思いますか。

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「あなたが相談を受ける人は、もしかしたらメンタルヘルス不調に陥っているかもしれない。」その可能性をしっかり知っておく必要があります。

自分の知識や能力、専門性を超えた相談にのることは、相談者を危険にさらすだけでなく、自身の心身に良くない影響をもたらすことがあります。

相談者のメンタルヘルス不調に影響を受けてしまい、自らもメンタルヘルス不調に陥ることも。

自らの対応の限界をしっかり把握し、必要と判断したら然るべき専門家や専門機関にリファーをしましょう。適したリファーは、相談者、そして自分を守ることにも繋がります。

■妊婦さんのリファー先

では、相談内容が自分の限界を超えていると感じた時、どこにリファーすれば良いのでしょうか。

妊婦さんからの相談について、あなたはどんなリファー先が頭に浮かびますか。

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○妊娠・出産のこと

命に関わることは、専門機関へのリファーが適切です。産婦人科はもちろん、各自治体(県や市)などで「妊娠、出産のサポートセンター」が開設されており、そちらもリファー先になります。メールや電話、または面談にて無料で専門家に相談することができます。

24時間365日すぐに医師に相談できるサイトもあります(月額330円税込)

○お金のこと

妊娠・出産時にもらえるお金として「妊婦検診費の助成」「出産育児一時金」「出産手当金」「育児休業給付金」の4つの支援があります。他にも「高額療養費」「医療費控除」「傷病手当金」の対象になることも。

これらは、病院にて情報をもらえることもありますが、勤務先の労務部門や保険の窓口に相談するのも良いでしょう。

他にも地域の子育てサポートセンター(母子手帳をもらえる場所)にて相談窓口が設置されていることもあります。

なお、申請については「出産育児一時金」は、病院や各種健康保険の窓口へ。「出産手当金」「育児休業給付金」は勤務先となります。

妊娠中の休職は【傷病手当金】を利用!重いつわりや切迫早産など、休職時のお金の話。〈経験談〉

■産後のリファー先

産後の支援システムや相談窓口について、あなたはどんなことを知っていますか?

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子育てについては、国としても様々な支援に取り組んでいます。

現在日本では、乳児家庭全戸訪問事業が行われています。自治体によっても取り組み方は異なりますが、簡単に言うと乳児のいる家庭に支援のプロが訪問し、相談にのるというものです。

他にも、母子保健法で定められた、1歳6ヶ月検診や3歳児検診がある他、3~4ヶ月検診も、ほとんどの自治体で実施されています。開催場所は病院や保健センターです。

ネットにて「子育て 相談 ○○(場所)」と検索するだけで様々な支援先、相談窓口がありますので、都度確認して知っておきたいものです。

↓都道府県の子育てホットライン

↓厚生労働省のホームページよりSNS相談連絡先

■妊産婦のメンタルヘルスケアマニュアル

日本の周産期医療は、身体管理や治療については、今や世界一の安全性を誇れるまでに なっている。しかしその一方で、心のケアが立ち遅れてきたことは否めない。児童虐待を 疑う事例は年々増加し続けており、妊産婦のうつ病は、妊娠や出産に関連した身体疾患よ り頻度が高く、また自殺の頻度も産科異常による母体死亡を上回っていることなどが徐々に明らかになっている。

妊産婦のメンタルヘルスの基礎知識、妊産婦への傾聴を含む対応方法についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのマニュアルをご覧ください。

妊産婦のメンタルヘルスケアマニュアル(公益社団法人 日本産婦人科医会 平成29年3月) 】

■メンタルヘルス・マネジメント®️検定

さいごに。現在、メンタルヘルス不調は身近なものとして認識され始めています。

もしあなたがご自身のことも含めて、メンタルヘルスに興味が湧いたら、メンタルヘルス・マネジメント®️検定に挑戦されると良いかもしれません。

メンタルヘルス・マネジメント検定試験は、働く人たちの心の不調の未然防止と活力ある職場づくりを目指して、職場内での役割に応じて必要なメンタルヘルスケアに関する知識や対処方法を習得していただくものです。

ご参考までに。3-4ヶ月ほどあれば、II種(ラインコース)と Ⅲ種(セルフケアコース)のW合格が狙えます。

▼30-40代の仕事や働き方のモヤモヤ解消はこちらへ|お役立ちnoteまとめ https://note.com/1starmoon/n/n42e1784dd26e?from=notice