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ちーちゃん脱走事件

ちーちゃん、というのは家で飼っている猫のこと。ちーちゃんは愛称でちゃんとした名前はチョコ。全身が茶色と黒のまだら模様。足下だけ何となくトラ猫っぽい模様になっています。

14年ほど前、家の隙間でネズミ捕り(べたべたするやつ)に引っかかってみいみい鳴いていた猫なのだが、ネズミ捕りから救い出した母ではなく家の洗面台で洗ってタオルで拭いてやった私のことをどうやら命の恩人と思ったらしく、未だに私を慕って私のあとをずっとついてくる。それこそトイレだろうとお風呂だろうとついてくる。はちゃめちゃにかわいい。

飼い始めた当初は、おなかに回虫がいたのでいろいろと大変だったが、薬を処方してもらったら無事退治できたようで、今は大丈夫になった。そのせいか、大人になってもさほど体が大きくならなかった。
猫としてはお喋りなほうで、割といつもめうめう鳴いてるし、ちーちゃん、と声をかければ十中八九振り向く。尚更かわいい。

そんなちーちゃんがやらかした。脱走。すいません、うっかりしてました。

大昔は室内外をうろちょろさせていて、近隣の家の木に登って下りられなくなって、数日後へろへろになって落っこちて家に帰ってくる、ということを何度も繰り返したある意味猛者な(悪くいえば阿呆な)(だからこそかわいい)猫だが、今となっては完全室内飼いにし始めてからの方が長い。
なので現在、外に出ていた当時は気にも留めなかった車の音にびびりまくり、その辺にいる雀にすら腰が引けている始末。…君、昔はネズミ捕まえてきたよね。あの頃の度胸どこやったの。かわいいねぇ。

当然、外に出すなんて考えることもなくなった。…のだが、先日ベランダで干していた洗濯物を片付ける時にうっかり外に出ていた。
この間、わずか数秒。
何なら一瞬すぎて外に出たことに気づかなかったし、外は夜だし、いわゆるマンションのベランダなのでお隣さんとは繋がっていて、気づいたら消えていた。

当然一同パニックになるものの、Twitterで「脱走した猫を呼び戻す時は普段と変わらない声音で呼びかけること」という知識を得ていたので努めて気持ちを落ち着かせ、普通のテンションで呼びつつ、どこも同じようなベランダだし家がどこか分からなくなってはいかんと思い、ベランダに普段食べているキャットフードを置いて、ベランダをガン見しながらしばらく待った。

時間がかかればかかるほど、探検ついでによそ様の室外機の隙間にとどまったりなんかしているんじゃなかろうかと不安になりつつ、まぁたぶんまずは端から端まで様子見に行って往復する時にでもまた通りかかるだろうからその時を逃しさえしなければ大丈夫じゃろ、あの子びびりだしな。と思っていたら案の定通りかかり、ついでに餌につられて足を止めていた。一瞬だけ。「あ、ごはんだ」くらいのノリで。
すかさず捕獲。元より大人しい子なのですんなりいった。やれやれ。

どうでしたか、ウン年ぶりのお外の自由散策は。

…ということで、猫飼いの皆様。
重々承知かとは思いますが、いざという時の猫のマッハスピードには気をつけましょう。猫はたとえ年寄りでも本気出せば数秒で消えます。

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