生活インフラとしての1 ROOM
1週間前の4月5日に「この無理ゲーをどう切り抜けるか...」という投稿をしました。その後1週間で、コロナウイルスの感染拡大は進行し、国や都も新たな施策を打ち出してきました。日々変わる(どちらかと言えばじわじわ悪化する)状況の中で、1 ROOM COFFEEは「やる」選択をした訳ですが、その「やる」思いに対してもここ数日で変化があり、腹を括った感覚があります。
(※もちろん、出来うる感染予防対策を整え、制限を設けながらですが)
一つは開業当初から気にかけてくれていた近くのお店のおじさんが先日「廃業」に踏み切ったこと。「次の家賃の更新を目処に一年ちょっとで引退かなー」と、ここ数年は話しておりましたし、本当に一週間前も
おじさん「今どうしてる?」
私「土日は休んで、短縮しながら様子見てやってます。」
おじさん「そうだよねぇ。」
という会話をしたばかりで、「閉店・廃業」のことは一切感じさせませんでした。
たまたまついさっき買い物帰りに会うことができて話を聞いたら、週明けの夜に考えて、翌朝決断して貼り紙をしたそうです。
どこまで自粛が続くか分からないし、店も色々ガタが来てるし、売上も今はそこまで悪くないからもったいないけどね…と。
感染リスクも考え、体調を崩したり、お店の運営が苦しくなってしまう前の潔い経営判断だったのだと思います。
この結果、私がそこそこ定期的に通っていたお店が一つ無くなりました。「ごめんね、何も言わずに閉店しちゃって。」と言われた時は、泣きそうでした。ただただ悔しい。
もう一つは、昨日の休業要請と同時に(タイミングはたまたまかもしれませんが)、こちらもいつもお世話になっているラーメン屋さんが長期休業に入りました。仕込みが遅く終わったり、家族が出かけた日は晩御飯に行ったり、なかなか頑張った日はビールを一杯飲みに行ったりしているお店でした。こちらも休業理由は感染リスクを抑えるためと話して居たので、いずれ再開するとは思いますが、
こうして今まで普通にあった私の「生活インフラ」が二つ無くなりました。今、私は1 ROOM COFFEEを「生活インフラの一つだと腹をくくって『やる』」決意をしています。一週間前の「やる」選択した時とは、もう既に別のフェーズです。
ここ一週間はホントにひとときの安らぎを求めてやってくる近所にお住いの方がほとんどです。徒歩10分もかからない場所にお住いの方ですら、「行ってもいいのかな」「家に居た方がいいのかな」という罪悪感もどこかに抱えながら、わずか30分ほどの食事に来てくれるのです。
どこかに食材を買いに行くよりは1 ROOMでの食事の方が感染リスクが少ないんじゃないかという、感染拡大防止も考えながらのご来店だったりもします。(そんなことをわざわざ考えながらの行動をする必要がいち早く無くなって欲しいです…。)
「やっていてくれてありがとうございます。」「ここは普段通りでホッとしました。」「ちょっと気持ちが晴れました。」とたくさん声をかけて頂きます。
営業を自粛しているお店、せざるを得ない業種・業態がある中で、営業をさせていただけることは恵まれていることですので、その中で役割を果たしていきたいと思います。
また、同業者や友人・知人がどんどん長期休業のお知らせを出してくる中で、「生活インフラ」を担っていると強く意識することで営業を継続している自分自身の気持ちをなんとかコントロールしています。
今、この状況の中で冷静な精神状態を保ち続けることは誰にとっても難しいと思います。その中で必死に呼吸を整え、絞り出している私なりの正解の無い答えです。
それぞれの思いの中で様々な選択をして居ます。
「この道を選び、この無理ゲーを終えた先に、私は立って居たい」
どこから来た方でも、笑ってテキトーな話題で盛り上がるその時を心待ちにして。