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飲食店の新システム【ラグジュアリーパス】

前回の投稿はなんと約1年前。飲食店としてはなかなか運用が難しく浸透しづらいダイナミックプライシングの運用についてでした。当店では浸透し、今では全く問題なくやれていると思います。
そこから時は流れ、コロナ禍をなんとか切り抜けたはいいものの、今後さらに多様化していくであろう飲食店の在り方、継続の仕方を試行錯誤する中で、5月から始めた施策のひとつの『ラグジュアリーパス』。
今回は約半年間に渡って試してきたことを評価を踏まえてお話しします。
個人的には現段階において他の飲食店にはない試みなのではないかと思いますので、皆さんにとって何かしらのヒントや、新しい試みのきっかけになれば幸いです。

そもそもラグジュアリーパスとは!?

完全に私オリジナルの造語です。
イメージしやすいのはUSJのエクスプレスパス、ディズニーのファストパス(現在はプライオリティパス)を 飲食店仕様、さらに細かく1 ROOM COFFEE仕様にアレンジしたお客様が優先的に入店でき、その他特典もあるシステムといったところでしょうか。

実際の利用の流れ

オンラインショップにて利用可能な日のチケットを販売します。
利用可能日は、Instagramの営業日程やストーリーなどでお知らせをします。
ご購入いただくことで予約完了という流れです。
1人でのご利用1000円、2人1600円、3名2200円、4名2800円の
価格設定です。
(※オンラインショップの利用は手数料がかかりますが、履歴を残したいこと、予約方法を一元化すること、少なくとも1000円のお支払いをいただくことでno showのリスクヘッジです。今のところ、皆さんしっかりご来店いただいています。)

ラグジュアリーパスご利用の特典

■平日は通常OPEN 11:00のところ10:00入店可能です。
■滞在時間は通常1時間までのところ最大2時間(12時まで)の滞在が可能です。
■奥の部屋でご飲食や撮影が可能です。
 (当店には客席エリアと別に撮影にはもってこいのスペースがあります)
■未就学児含む1組4名様までのご利用が可能です。
 (通常は1組2名様まで、未就学児の店内飲食はお控えいただいています)
■ご来店と同時の着席が確実、商品の提供も調理の所要時間だけです。
■11時には通常営業をオープンしますが、それまでの時間は貸切です。
 (1組限定のパスです)

なぜこの施策をやろうと思ったのか

きっかけはお金を払ってでも予約したい、基本的に客席としては使用していない奥の部屋を利用したいとリクエストがあったことでした。そう言うことであれば、しっかり料金を発生させて、食材原価ではない付加価値に金額をつけてみてはと考えました。

また、自分で言うのも恥ずかしいというか、図々しいというか、アレなんですが、お店の状況に左右されずに店主さんとお話ししたいとおっしゃって頂く方も一定数(愛すべき奇特な方々)居て、このシステムなら自分もお客様も周りと内容を気にせずざっくばらんに、会話の時間もしっかり持てると思いました。
他愛のない雑談もあれば、飲食店運営・開業や、仕事や転職のこと、恋愛関係(苦手!)のことなど、様々な内容で会話をするので、第三者的な立ち位置の人との会話って客観的だったり、時には厳しいと思われることを話したりも、悪くはないのかなと思います。自己肯定感高めですいません。先述の特典には入れてないので許してください。(いや、1%ぐらいの人にとっては一番の特典かもっていう期待だけは持たせておいてほしいかな)

お客様の反応

なんとか売上を上げるため、ラグジュアリーパスを利用して頂きたい!と思って始めた施策でなく、とりあえず色々特典はあるから、興味本位で利用してくれる方がいらっしゃれば、利用した方にとっては今あるお店を最大限楽しんでいただるのでいいかな程度の温度感で始めたものでした。
色々特典があるとは思っていたものの、思ってた以上にというか、びっくりするぐらい「これめっちゃいいですね!」とか「絶対また利用します!」とか「本当に贅沢な時間でした!」とか「日程合えばぜひ利用したいです!」とか、すこぶる好反応でびっくりしましたし、実際にほとんど埋まりますし、なんといってもリピートで利用してくれる方々がけっこういらっしゃるので、価値あるものと認めていただける方がいらっしゃると評価しています。

他にも想定が及んでいなかったのですが、地方からいらっしゃる方などが特に、時間がしっかり確保できているので、その他の予定が組みやすいとのお声もありました。

また数字のことに触れますと、ラグジュアリーパス分がプラスになるだけでなく、購買意欲の高い(オーダー数が多い)方の利用割合が多く、平均客単価より高い推移をしています。これは全く想定外でした。
それでも、とても満足気な笑顔と声で帰っていただけるのは、お互いにとって良い在り方だなと感じています。

ラグジュアリーパスのネーミングについて

正直なことを言えば「ラグジュアリー」というワードをカフェの単価で打ち出すことが、私としては気恥ずかしかったのですが、結果的に「ラグジュアリーパス」と言うネーミングはハマった感じです。
ちなみに「プレミアムパス」と悩みました。
ラグジュアリーとプレミアムの違い、私のnoteを読んで頂いている方々は気になる方がいらっしゃると思うので、検索していただければと思います。
ちなみに全時間帯でやらない理由は、サービスクオリティ、特別感を維持して、ラグジュアリーであって欲しいからです。

今後の1 ROOMでの運用について

細々とですが浸透してきているので、身体に負担にならないように継続していこうと思います。やりすぎると、単純に営業時間を伸ばすことになるので、たまにタイミングがあった方が利用できることも踏まえて、付加価値かなと思います。

基本は平日のものですが過去の記事を踏まえ土日は少し価格を上げて運用してもいいかなと思っています。実際に2度試しましたが、すぐ埋まりました。

他の店舗さんでの運用について

今まで書いてきた形はあくまでも1 ROOM仕様です。自分なりに工夫して、どういう形でできるか、ベターか、さらに何かできるかを考えています。同じような業態でも、立地、規模、営業時間、スタッフのスキル、仕込みなど、それ以外にもたくさんの前提条件が少しずつ違えば、全く同じ運用はできないと思います。が、そこがポイントで、ご自身のお店だからこそできる付加価値を生み出せるはずですので、工夫してやっていただけたらと思います。
もしどなたか試してみた方が今後発生したら、お話し聞いてみたいです。
あと、自戒の念も込めて記しておきますが、システムとして使うのはできると思いますが、今まで以上に魅力ある店作りは必須だと思いますので、お互いに頑張りましょう。

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