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ブルーベリージュースとホエイプロテインの組み合わせによって起こる抗菌効果について

はじめに

気になった科学的根拠に基づいた健康情報を定期的にお送りするコーナーです。ダイエット、食事術、トレーニングを中心に書いていこうと思ってます。

そもそものブルーベリーの効果って?

ブルーベリーには、科学的な研究によって以下のような効果が示されています。

1.抗酸化作用:ブルーベリーには抗酸化物質が豊富に含まれていて、体内の活性酸素を中和し、細胞を酸化ストレスから保護する働きがあります。
その結果、細胞の老化や慢性疾患のリスクを軽減する可能性が示唆されています。
2.認知機能の改善:ブルーベリーの摂取が認知機能に良い影響を与えることが、臨床研究で示されています。特にブルーベリーに含まれるアントシアニンと呼ばれる成分は抗炎症作用や神経保護効果を持つことが知られていて、これにより脳の健康維持や認知機能の改善に寄与する可能性があります。
3.心血管の健康促進:ブルーベリーの摂取は心血管の健康に関連していると考えられています。抗酸化物質が血圧の調節やコレステロールレベルの低下に役立つことがあります。さらに、ブルーベリーは血管の健康促進や炎症の抑制にも寄与するため、心血管疾患の予防に役立つ可能性があります。
4.抗炎症作用:抗糖化効果に優れたブルーベリーには抗炎症作用のある成分が含まれています。特にアントシアニンやフラボノイドなどの化合物は、体内の慢性的な炎症を軽減することが知られています。これにより、心血管疾患や糖尿病、肥満などの慢性疾患のリスクを低減する可能性があります。

冷凍ブルーベリーと乳製品は相性が悪い

ブルーベリーの特徴である豊富なポリフェノールは、乳製品に含まれるカゼインにその働きを相殺されてしまいます。
フローズンヨーグルトにブルーベリーの組み合わせも定番ですが、せっかくの抗酸化力がなくなってしまうのは勿体ないので、個人的にはブルーベリーはジャムや生ではなく、冷凍のブルーベリーを非加熱で。生乳ヨーグルトではなく、豆乳ヨーグルトで。ホエイプロテインではなく、ガゼインの含まれていないWPI(ホエイプロテインアイソレート)を推奨しております。とはいえ酸味の効いたブルーベリー黒酢と冷凍ブルーベリー、生乳ヨーグルトでつくるジェラートはとても美味しいので、嗜好品としてなら精製糖が多く含まれている市販のアイスよりは幾分か健康的に思えますね。

ブルーベリーとプロテインを混ぜる事によって大腸内で起きる相乗効果について

今回参考にした論文▷
貯蔵中に大腸菌を阻害する乳酸菌で発酵したホエイプロテインとブルーベリージュースの混合システムのメカニズム

この研究は、ホエイプロテインとブルーベリージュースを混合し、ラクトバチルス菌(ヨーグルト・チーズ・キムチ・ザワークラウト等に含有されている)によって発酵させたシステムが体内に保存中、大腸菌の成長を抑制する効果とそのメカニズムを明らかにすることを目的としています。

ホエイプロテインとブルーベリージュースの混合システムは、
①L. casei M54(Lactobacillus casei M54と呼ばれるラクトバチルス菌の一種)
②L. plantarum 67(Lactobacillus plantarum 67と呼ばれるラクトバチルス菌の一種)
③S. thermophiles99(Streptococcus thermophilus 99と呼ばれるストレプトコッカス菌の一種)
④L. bulgaricus 134(Lactobacillus bulgaricus 134と呼ばれるラクトバチルス菌の一種)
によって発酵され、大腸菌に対して異なる抗菌活性を示しました。

ホエイプロテインやブルーベリージュース単体のシステムと比べて、混合システムの抗菌活性が最も高く、約230 mmの抑制ゾーン直径がありました。ホエイプロテインとブルーベリージュースの混合システムによる処理後、7時間後には大腸菌の生存細胞は検出されませんでした。抑制メカニズムの解析では、大腸菌においてアルカリフォスファターゼ(消化器系の腸粘膜の細胞表面に存在する食物の消化と吸収に関与している酵素。骨や歯の形成過程やカルシウム代謝にも関与している)電気伝導度、タンパク質、ピルビン酸(代謝プロセスで重要な役割を果たす有機化合物。ピルビン酸は糖代謝の一部であり、解糖系(糖の分解)によって生成される。具体的には、糖(主にブドウ糖)が分解されてピルビン酸が生成される。ピルビン酸は細胞内でさまざまな役割を果たしていて、例えば細胞呼吸の前駆体として働き、ミトコンドリアでのクエン酸回路(クレブスサイクル)への入り口となり、乳酸発酵の基質としても機能し、酸素が不足した状態下でエネルギー生産をサポートする役割を持つ)の放出が増加し、アスパラギン酸トランスアミナーゼやアラニンアミノトランスフェラーゼの活性も上昇しました。これらの結果から、ブルーベリーを含むラクトバチルスによって発酵された混合システムは、大腸菌の成長を抑制し、大腸菌の細胞膜や細胞壁を破壊することで細胞死させることが示されました。

この研究結果からも、ビタミンCや抗酸化物質、食物繊維を豊富に含んだブルーベリーは“賢い食べ合わせ”を行うことよって効果のカスタマイズが自在に出来ることがわかりますね。こういった知識を得て、知覚する事でスーパーで陳列された商品をいつもと違った自分の体調改善に則した視点で新たに見れるかも知れませんね。

ここまでお読み下さりありがとうございました。

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