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師走の和会席。備忘録

12/29 横浜市の港南台にある茶茶カフェというシェアキッチンで、仲の良いメンバー向けに和食コースのイベントを行った。

お客さんは平均年齢22歳くらい、若い人のみ。
若い人(俺もだけど)って、余程のことがない限りコース料理を食べないし
そのタイミングでも和食を選ぶ確率はかなり少ない。



なんでこのイベントしたかって詳しくは👇👇

たまには和食のコースもいいんじゃない?


んで、作ったのは和食のコース料理

先付け、八寸、椀物、造り、煮物、食事、甘味
👇ドリンクは👇
日本酒3種
or
変わったお茶3種
共通で👇
食事にほうじ茶、甘味に抹茶をつけた


一つ一つ説明してくから、ちょっと長いけど、興味ある方はお付き合い下さい🙇‍♂️

そして、ここでお客様に感謝を。
来てくださってありがとうございました。

先付け

雲子玉地

蓋付き蒸し碗
🍶一ノ蔵 特別純米 熱燗
🍵焼さつまいもの皮を混ぜた緑茶

雲子(タラの白子)を焼いたのと、百合根が具の玉地蒸し(茶碗蒸し)
に、白子の酒蒸しペーストを合わせたメレンゲをのせて、さっと蒸してとろふわに。
仕上げに2滴のゆず果汁で酸味と香りを。

イメージは雪❄
真っ白な雪をメレンゲで
雪の中に埋もれてる息吹を百合根で再現。

冬の先付けには温かいものを出すのが好き🔥
飲み物も身体に染みる暖かくって、季節感のあるものを。


八寸

紅白なます

揚げ海老芋 春菊天ぷら

しらすと菜花の卵焼き

皮剥と鰤皮の肝和え

蕪と大黒しめじの黄身味噌焼き

黒俎皿
🍶一ノ蔵 特別純米 熱燗
🍵焼さつまいもの皮を混ぜた緑茶

紅白なます
正月の定番
大根の皮と人参でサッパリと。

揚げ海老芋 春菊天ぷら
海老芋を炊いて揚げたの。
天ぷらはリクエストで。

しらすと菜花の卵焼き
菜花を出汁で炊いて、広げてしらすを包んで丸い卵焼きに。
出汁の香りと春の香りを。

皮剥と鰤皮の肝和え
元々はウマヅラハギでやろうと思ってたけど、カワハギが美味そうだったから変更。
鰤は皮が余ったんでここで。
肝とゆず果汁、濃口のシンプルな味。
仕上げはもみじおろしとネギ

蕪と大黒しめじの黄身味噌焼き
下焼きした野菜に、たっぷりの黄身味噌を乗せて焼く。
お椀で卵白を沢山使う為、黄身が余るので作った。
味噌には柚子の皮がたくさん。

八寸は秋から冬、そして少しだけ春の気配を。
日本酒の進む料理。
盛り合わせや定食、弁当などでは特に気をつけるのが、味と食感、温度、形などのバラエティーを楽しませる事。

酸:なます
甘:卵焼き、海老芋
苦:蕪、春菊
辛:肝和え
などなど、塩気や温度も色々。

椀物

変わり鰤大根

朱塗り椀/溜塗り椀
🍶大七 純米生酛
🍵栗紅茶

お椀を開ける前に、変わりぶり大根ってのを言いまくって、どんなのか想像してもらってから、見てもらう。
冬らしさ、カマクラみたいなイメージ。

ベースはかぶら蒸しのお椀。
よくあるのは、白身魚とか海老とかだけど、今回はブリに、聖護院大根で。

出汁にはかなりこだわって、血合い抜きの鰹節でしっかり引いた一番ダシ。
菊の花とゆずの香り。

酒は大七 日本酒に慣れなくても飲みやすいサラッとした種類。
お茶は栗の香りがする紅茶。少し深煎りな香りが風味を足す。



造り

師走の盛り合わせ

鯵の柚子〆

鯛の昆布〆 焼霜

鮪の湯霜 漬け

益子 足付き長皿
🍶大七 純米生酛 **
🍵栗紅茶**

魚はあえて、手を加えたものを。
アジは塩と柚子で〆
鯛は昆布で〆て、皮は切れ目を入れて焼霜に。
鮪は表面をサッと湯霜して、甘めに漬け。

普段お刺身を食べても、切っただけの事が多いので、あえて加工を。

刺身ってのは、当たり前だけど、切り立てが美味い。
ツマは引き立て役だけど、美味しい。

そんなことを感じてくれたらいいな。


煮物

牛と冬根菜の鞍馬煮

美濃 南蛮青磁鉢
🍶菊姫 にごり酒 冷/熱
🍵燻製紅茶

若人の為のコースだから、肉は多めで。
今回は赤身のもも肉。
火は入ってても赤いってのが良いなと思ってて。こんな感じ。

鞍馬煮ってのは山椒を使った煮物。
ピリッと爽やかな辛さがアクセント。

冬の根菜 レンコンとゴボウをこっくり甘辛く。
仕上げは木の芽(山椒の葉)で。
煮物って、地味だけど美味いってのを感じて貰えたかな?

ここのドリンクは
酒は肉に合わせ濁りでどっしりと
お茶は燻製した紅茶。スモーキーな香りを肉に足すという役割。


食事

年越し蕎麦 湯葉餡

朱塗り椀/溜塗り椀
🍵焼さつまいもの皮を混ぜたほうじ茶

安直かもしれないけど、季節のイベントは大切にしたい。
そばつゆは、お椀の上品な1番だしとは真逆に、血合い入り鰹節たっぷりのだしで。

湯葉を使うこと、とろみをつけることで、満足感と、温かさをプラス。
香り付けは三葉と柚子で爽やかに。


漬物

昆布佃煮

白菜柚香漬け

白雲正角猪口

あくまで、もったいない料理人として
と、いうか当たり前だけど昆布は捨てない。
甘めに炊いて、ゴマをたっぷり。

白菜は柚子と唐辛子と昆布でシンプルに。

漬物って大切な料理で、ここにこだわってる料理屋は美味しいと思う。


口直しの甘味

蜜柑蜂蜜煮ゼリー寄せ

🍵ほうじ茶

みかんを皮付きで茹でこぼして、苦味を抜いて
ハチミツとクローブで甘くスパイシーに炊く。

皮は細く切って、みかんピールにする。
身は炊いたシロップと一緒に硬めのゼリーにして、一口大に。

甘さは控えめにして、酸味と苦味のバランス整えて、口の中をさっぱりさせる。


甘味

焼き丸十汁粉

織部蓋付き椀
🍵一口抹茶

丸十(さつまいも)は低温でじ〜っくり火入れして、甘さを引き出してから汁粉に。
餡には、椀物で使わない卵黄を混ぜてクリーミーにする。

具には黒ゴマの生麩を焼いたのを。
甘さはハチミツとみりんと砂糖、アクセントに少し醤油をいれる。

仕上げにお好みで、ラム酒をいれて、大人な甘味で。

合わせたのは1口の抹茶🍵
場所が茶茶カフェなのもあり、かなりお茶は出した。


と、まぁこんな感じかな
ちょい長すぎたかもしれないけど、こだわりがかなりあったんです。


テーマはあくまで初めての和食コースなんで、どちらかと言うと初心者向け
そんでもって、若者向け。

お客様に合わせて、もっと玄人目な料理もするし、年にも合わせます。

どうでしょう??
このコースいくら払います??
いくらだと思います?

今回は実験的な料理として、やってみて、皆様のリアルな感想を聞いて
今後の値段の参考にしようかと思ってます。


こんな感じで今年を締めようかと思います。
1年間色々ありましたが、ありがとうございました!!
来年は更なる成長をしていくので、よろしくお願い致します。

素敵な写真は
お客さんの皆さん。
特にいい写真は
みなみさん。いつもありがとう


いつもありがとうございます。 書くの大好きだけどやっぱ大変だから、サポートして貰えると持続性が増します。